3月15日、将棋電王戦FINALが開幕した。 第一局は斎藤慎太郎五段が将棋ソフトAperyに完勝した。 序盤の折衝で築いた小さなリードをノーミスでじわじわと広げる完璧な将棋だった。 だがこの将棋、簡単には終わらなかった。 Aperyが必敗になっても自らの負けを認めず指しつづけたのである。 一般に勝負の世界では最後まであきらめないことが美徳とされる。 しかしプロの将棋界では自分の負けを悟ったとき﹁負けました﹂と告げて終局にすることがほとんどである。 これを﹁投了﹂とよぶ。 投了せずに自玉が詰むまで指しつづけることはみっともないことなのだ。 それがいわゆる﹁日本人の美意識﹂に起因するものかどうかはわからないけれども、 とにかく将棋界にはこんな文化があった。 だから、Aperyが投了せずに自分の負けを先延ばしにしようとしたことに対して 非難する声があがった。 ﹁美しい棋譜をつくるというプロの文化
![将棋電王戦FINALにおける異文化の衝突](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b1638cdb5807a4788e4ba3c1109a984166e095fc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fanond.hatelabo.jp%2Fimages%2Fog-image-1500.gif)