前回の﹁ Ai分布の精算について﹂の中で、設計地震力とは ( 建物に一定の耐震性を保証するための ) ﹁大雑把な目安﹂であると書きました。なぜ﹁大雑把﹂で構わないのかというと、低中層の建物については多くの経験の集積があり、﹁この程度に設計しておけば地震に対して安全である﹂という﹁安心﹂が私たちの間で共有されているからです。 それに対し、いわゆる﹁超高層建築﹂と呼ばれるものについてはそのような経験の集積がない。そこで、大雑把な地震力ではなく、﹁地震が来た時に建物がどのように揺れるのか﹂という﹁本当のこと﹂を知って安心を得ようとした。それが﹁振動解析 ( = 時刻歴応答解析 ) ﹂という設計手法だと考えられます。 ずいぶん昔の話ですが、﹁建築構造関連の仕事をしている﹂と人に言うと、﹁超高層のようなものを設計するのか﹂と聞かれることがよくありました。ようするに、これは﹁建築構造の専門家 → ふ