皮肉なことに、プロジェクトと失敗とは相性がよい。納期どおりにできなかった、要求どおりにできないことが多い、機能を削減することが多いなど、もともとの目的、スコープから、後退したプロジェクトの経験を持つITエンジニアは多いに違いない。なぜ目的どおりにいかないのか。どこを改善したらいいかを本連載で明らかにし、処方せんを示していきたい。 リスクマネジメントの重要性 プロジェクトを成功させるために、リスクマネジメントは非常に重要である。特にソフトウェア開発のプロジェクトでは、何らかのリスクが必ず存在する。新しい技術を使っていたり、稼働環境のOSのバージョンが新しくなっていたりと、いままで採用したことのない技術や手法を用いることは頻繁に起こり得る話であり、そのほとんどの場合にリスクが付きまとう。顧客に関連するリスクも気を付けないといけない。なかなか仕様を決めてくれない顧客や、担当者が忙しくて時間が思う