﹁うつの痛み﹂をキャッチフレーズに、製薬会社が昨年10月からテレビCMなどで続けるうつ病啓発キャンペーンに対し、医師や患者、家族から抗議の声があがっている。 CMは、体の痛みをうつ病の主症状のように伝えたが、国際的な診断基準に体の痛みはない。ナレーションが一部変更されたものの、﹁体の痛みで落ち込んだだけでうつ病にされる。薬を売るための過剰啓発だ﹂との厳しい批判は続いている。 キャンペーンは、糖尿病性神経障害の痛みと、うつ病の両方に処方できる抗うつ薬﹁サインバルタ﹂を販売する塩野義製薬と日本イーライリリーが共同で展開。頭痛や肩の痛みもうつ病の症状のひとつとして、うつ病の治療で体の痛みも治療ができると呼びかけている。 フジ虎ノ門健康増進センターの斉尾武郎センター長︵精神科医︶は﹁体の痛みを抱えるうつ病患者は多いが、うつ病が体の痛みを生むという科学的証拠はない。不適切だ﹂と指摘する。 抗議を受け