読み返すと人物に関するshibusashiのブックマーク (2)
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そんな分厚い壁をぶち破り、﹁最高権力者﹂と呼ばれた男の人生遍歴をまとめ、世に問うたのが﹃決断のとき﹄だ。 なぜ、平成を代表する総理経験者が、筆者のような無名のフリーライターを相手に半生をとことん語り、一冊の本に仕上げようとしたのだろうか──。﹃決断のとき﹄を出版してから読者によく聞かれる質問だが、筆者は約1年間、田舎の両親よりも頻繁に対面してきたのに、そんな肝心なことをうっかり聞きそびれてしまった。 ﹁総理のご意向﹂を忖度するに、ただ単に、筆者の取材攻勢が最もしつこかったからだろう。名も力もあるエリート記者たちがジャーナリズムの基本であるはずの﹁本人取材﹂を諦めていく中、気づけば、筆者一人だけが追い続けていた。 それだけのことだ。 筆者に限らず、現在76歳の小泉は若い人との対話を好む。特に息子の孝太郎︵39︶・進次郎︵36︶と同世代を相手にすると、普段は無口の元首相が驚くほど饒舌になる傾向
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小泉純一郎元首相の回想録﹃決断のとき﹄︵集英社新書︶が読まれている。2月の発売直後に重版、1か月余りで早くも3刷となった。政治家個人にフォーカスした書籍としては、久々のヒット作だろう。 同書を企画し、取材・構成を手掛けた筆者の元にも、様々な立場の読者たちから続々と反響が寄せられている。老若男女を問わず、ファンも、アンチも、小泉節がなぜか気になってしまい、なにかを語らずにはいられないようだ。政界引退から10年近くも経つのに、これほど毀誉褒貶が尽きない政治家は他に思いつかない。 あの﹁東大首席﹂コメンテーターの名も1年以上に及んだ同書の編集作業が佳境を迎えた頃、筆者は小泉の書斎で1冊の本を手渡された。普段から﹁マスコミが書いた話はウソが多い﹂と言って憚らない元首相が、自らを描いた書籍を筆者に薦めてきたのは、それが最初で最後だった。 ﹁この本、読んでよ。面白いよ。ビックリするほど、俺のこと調べ
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