図書館の利用者情報はどこまで守られるべきか-。図書館での盗難が急増する明治大が、入館者記録などを警察に提供したことが波紋を広げている。図書館は、戦前に国民の思想統制に加担した反省やプライバシー意識の高まりから、日本図書館協会も﹁捜査令状がない場合は提供しないことが望ましい﹂との見解を示す。窃盗被害の防止と利用者情報の保護の板挟みで、大学は苦慮している。 ︵皆川剛︶ ﹁注意喚起で被害を減らせるかと考えたが、増え続け、もはや異例の事態だ﹂。明治大図書館総務事務室の菊池亮一事務長は険しい表情で語る。和泉キャンパス︵東京都杉並区︶の図書館では、一昨年度まで年数件だった被害が、昨年度二十七件、本年度は半年で既に四十一件相次いでいる。 大学などによると、離席中や寝ている時にかばんから財布が抜かれたり、かばんごと持ち去られたりするケースが大半。現金やカードが抜かれた財布やかばんはその後、キャンパス内のご