小説に関するshogochibaのブックマーク (11)
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慶応義塾大学三田図書館旧館八角塔脇の小道を入っていくと・・・(入っていいんだろうか?と、一瞬躊躇してしまうような裏道感のある所ですが・・・入っていいんですw) 何やら小高くなっている所があります。 ここは﹁文学の丘﹂(丘?っていうか、石が積まれ土がこんもり盛り上がっているだけのような・・・いや、でも丘なんですw)。慶應ゆかりの文人たちの、文学碑や石像の並んでいる丘です。 まず目に入ってくるのは、吉野秀雄(明治35.7.3~昭和42.7.13 歌人・書家)の歌碑。 図書館の 前に沈丁咲くころは 恋も試験も 苦しかりにき 群馬県高崎出身の吉野は、﹃福翁自伝﹄(福沢諭吉 明治31.7.1~32.2.16 ﹃時事新報﹄)に感銘を受け、慶応義塾大学理財科予科から経済学部に進学するも、病気のため中退。独学で国文学を学び、正岡子規(慶応3.9.17(陰暦)~明治35.9.19 歌人・俳人)らのアララギ派
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美しき血 竜のグリオールシリーズ (竹書房文庫) 作者:ルーシャス・シェパード竹書房Amazonルーシャス・シェパードの代表作のひとつ、︽竜のグリオール︾シリーズの最終巻が﹃美しき血﹄として本邦でもついに刊行となった。最終巻といってもこのシリーズは長いサーガや倒すべき敵がいるわけではなく、一作目﹃竜のグリオールに絵を描いた男﹄と二作目﹃タボリンの鱗﹄はどちらも中短篇集で、三作目となる本作﹃美しき血﹄も他と関わりはあるとはいえ独立した長篇なので、どこから読んでも良い。 著者は本作を刊行(フランス語版は2013年、英語版は14年)したすぐ後に66歳で亡くなっており、これが遺作となる。しかし、これが遺作なら納得もできただろう、と思えるほど、様々な要素があわさった、総合的で美しい長篇だ。 ︽竜のグリオール︾シリーズは数千年前に凄腕の魔法使いと戦った結果、死は免れたものの身動きがとれなくなった全長1
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ブラックフライデーに合わせて恒例となっている早川書房の50%割引のセールがきているので、今回も一年以内に刊行された新刊を中心におもしろかった作品を紹介していこうかと。夏頃のセールが2700点がセール対象だったのにくらべて今回は﹁2000作品以上﹂ということで、特に直近半年ぐらいの作品はあまりセール対象になっていないようだが、それでもおもしろい本はたくさんあるので観ていこう。 amzn.to 最初はSFから プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー早川書房Amazon引き続き劉慈欣作品の多く(﹃三体﹄三部作からスピンオフの﹃三体0 球状閃電﹄や﹃三体X観想之宙﹄や短篇集の﹃円﹄など)がセール中なのでまだの人にはひとまずおすすめしておくのと(最新刊の劉慈欣長篇デビュー作﹃超新星紀元﹄はセール対象外)、アンディ・ウィアーの傑作﹃プロジェクト・ヘイル・メアリー﹄もセール対象。
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Executive Summary トマス・ピンチョンによるオーウェル﹃1984年﹄への2003序文。本書が単なる反ソ反共小説ではない。オーウェル自身、立派な左派社会主義者ではあった。だが彼は、制度化された社会主義が己の権力にばかりこだわり、スターリニズムに目を閉ざし、むしろ肯定するのに絶望していた。本書の批判は、そうした社会主義が己の権力温存のために使う手段の戯画化である。世界分割はヴェルサイユ講和会議や第二次大戦後の戦後体制の戯画化でもある。本書の批判はもちろん、現在のネット監視社会の予兆めいた部分もある。その一方で、宗教的な狂信は登場せず、反ユダヤ主義的な面もほとんどない。オーウェルは、本書で底辺労働者に希望を寄せている。そして最後に、ニュースピークについての過去形の論説を載せることで、ビッグ・ブラザー支配がいずれ倒れることを予見しているのかもしれない。彼は一般人の人間性、親子愛など
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小説﹁密会﹂(安部公房)。↓↓ ある日、主人公である男性の妻が救急車で連れ去られてしまう所からストーリーが始まります。📘🍷👨 男性は妻を探して病院に辿り着くが、いつの間にか彼の行動が盗聴マイクで監視されている上に、 そこには奇怪な感じの人間が多く居て、その者達との関わりに困惑して行きます。 これは、主人公に言わせても最終的に分かる事はきっと、 " やはり、この地球自体が、病んだ者達ばかりが集まる、巨大な病院だ "と言う事ではないかと自分も思います。💊💉🏥👩👨 ﹁砂の女﹂や﹁壁﹂に次いで、自分が安部公房さんの中で大好きな作品です。😊 <a href="https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=3TH7V9+FOEZSY+4O0M+631SX" rel="nofollow"> <img border="0" width="300" height="250
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幹から枝が生え、枝から小枝が生えるように、豊饒なる主題から、あまたの章が生まれる。 前章でふれたクロッチについては、独立の章をもうけて論じる価値がある。それは先端が三叉に割れた特殊な形態をもつ棒で、長さが二フィートほどあり、ボートの舳先近辺の右舷舟べりに垂直にさしこまれ、その三叉のところに銛の木製の柄の末端をのせ、その先にある抜き身の﹁かかり﹂のついた鋼鉄製の刃先をやや上向きに傾斜させて舳先から突き出しておくための仕掛けである。 ︵メルヴィル﹃白鯨︵中︶﹄岩波文庫、2004︶ こんにちは。幹から枝が生え、枝から小枝が生えるように、教育という豊饒なる主題から、あまたのブルシット・ジョブ︵クソどうでもいい仕事︶が生まれ、沈みかけているのが学校です。どうかしてる、度を超してる、わかりますか︵?︶って、髭男じゃなくても歌いたくなります。何の価値もない土曜授業という枝は切ればいい。何の価値もない宿題
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安部公房さんの本は全部読んでいます。 小説で特に一番好きなのはこれ、﹁砂の女﹂です。↓↓ 砂丘の中に怪しい集落があり、それは特殊な部落の人達が集まる変な集落でもあった。 教師でもあり昆虫の研究家でもある主人公がその集落の人達に捕まり、蟻地獄のような巨大な穴の底に落とされ、そこには砂掻きをする一人の女性が居た。 主人公は脱出する手段を色々考え、漸く脱出して逃れられたかと思いきや、いつの間にか砂の流れに飲まれ、同じ場所に戻されていた所を再び捕らえられてしまう・・・。 何だか恐いお話でもありますね。 兎に角、文章が概念的且つ、論理的でしっかりとしているので、読んでいて引き込まれるような感が好きです。😊 <a href="https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=3TH7V9+FOEZSY+4O0M+631SX" rel="nofollow"> <img border="0
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鋼鉄紅女 (ハヤカワ文庫SF) 作者:シーラン ジェイ ジャオ早川書房Amazonこの﹃鋼鉄紅女﹄は中国出身で幼少期にカナダに移住した作家・ユーチューバーのシーラン・ジェイ・ジャオのデビュー長篇である︵21年刊︶。タイトルにも入れたが、TRIGGER&A-1制作によるロボットアニメ﹃ダーリン・イン・ザ・フランキス﹄に影響を受けた︵謝辞にかかれている︶、中華風のロボットSF・ファンタジーだ。 ﹃ダーリン・イン・ザ・フランキス﹄の制作者たちへ。この本の男女二人乗り操縦システムの発想のもとであり、巨大ロボットを文学装置として青春とジェンダーとセクシュアリティを描くというアイディアのきっかけになった。*1 ロボットは九尾の狐や朱雀、白虎、玄武などの中国神話からモチーフがとられており、最初は動物形態だが次第に直立二足歩行形態、英雄形態に変化していくなど、”変形”パートもばっちりあって、ロボットSF好
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食事が始まると、会話は何故か智香と斗真君のおばあちゃんが主になった。 可愛い斗真君はすっかり女子の人気者に ﹁斗真君可愛いですね﹂ ﹁私らも斗真が初孫なもんでもう﹂ ﹁そうでしょうね、他人の私達が見ても可愛いんですから。幼稚園でもモテモテじゃないんですか?笑笑﹂ ﹁笑笑、それはあれですけど…皆さん学生の頃のお友達か何か?﹂ ﹁はい、私達女子3人が同じ大学のサークルで、男子は別の大学の仲間なんですけど、私とこのけんが小学校からの幼馴染みで﹂ ﹁まあそれで!﹂ ﹁はい、お互いに仲間を連れて先日呑み会したんです。﹂ ﹁じゃ、知り合って間もないの?﹂ ﹁はい﹂ ﹁若いっていいわねぇー、すぐ仲良くなって…あっ、ごめんなさい。助けて頂いたのにご挨拶もしないで﹂ ﹁いえ!私は何も…助けたのはトトロさんでから﹂ ﹁薔薇岡です﹂ ﹁えっ?ば、ばらおかさん?ばらは花の薔薇ですか?﹂ ﹁そうなんです、珍しいでし
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いずれすべては海の中に (竹書房文庫) 作者:サラ・ピンスカー竹書房Amazonこの﹃いずれすべては海の中に﹄は、(新型コロナウイルスをめぐる状況の)予言的な作品として話題になった﹃新しい時代への歌﹄のサラ・ピンスカーによるSF中心の短篇集である。2013年から2017年にかけて様々な媒体に書いた短篇を集めたもので、邦訳では﹃新しい時代への歌﹄が先行したが、これが著者の初単行本となる。 長篇しか読んだことがなかったので、短篇にはそこまで期待せずに読み始めたのだけどこれが大ヒット。文章はまるでひとつの曲のように詩的で、思いがけない発想、表現がどの短篇にも盛り込まれ、独自の世界観にたっぷりと浸らせてくれる。僕の大好きな要素が詰まった短篇集で、特に中篇の﹁風はさまよう﹂は読んでいて思わず身を乗り出すようなおもしろさがあった。今年もさまざまな短篇集・アンソロジーが出ているが、今のところはこれが個人
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こんばんは、紫栞です。 今回は有名すぎるほど有名な﹃西遊記﹄原作の翻訳本まとめをしたいと思います。 ﹃西遊記﹄は︽中国四大奇書︾(三国志演義・水滸伝・西遊記・金瓶梅)の内の一つで、日本でも題材にした小説・ドラマ・漫画と派生作品が多数存在する作品です。 或る日﹁﹃西遊記﹄関連作品を読みあさろう!﹂と、思い立ち﹁まずはとにかく原作からね!﹂と、いきり立って原作を読もうとしたのはいいものの、超有名作品だけあって翻訳本が溢れていて当時調べるのに苦労したので、これから読まれる方に少しでも参考になるように、自分なりにまとめてみようと思います。 近年集めやすくて全巻出ているものですと下記の通り(注‥私自身が読んだのは岩波文庫版と平凡社版です。他はネット等で調べてみたまとめですので悪しからず) ●岩波文庫 西遊記 全十巻 訳・中野美代子 西遊記︿1﹀ (岩波文庫) 作者: 中野美代子 出版社/メーカー:
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