﹃芸能人はなぜ干されるのか?﹄︵星野陽平著・鹿砦社︶を読みました。書名は軽いですが、本自体は脱稿まで5年を要したという労作です。ただ、多くは直接取材したものではなく、過去の記事や関連する文献を当たって、それをまとめたものです。そのため、本書で引用されている﹃噂の真相﹄や竹中労や沖浦和光氏の本を読んできた人間には、今さらの感はぬぐえません。それに、資料のせいなのか、本書で紹介されている芸能人の事例が古いものが多く、私にはやや興ざめでした。 著者は、こう書きます。 芸能資本の力の源泉は有名タレントを所有することにある。だが、タレントは﹁モノを言う商品﹂であり、放っておけば芸能資本の手から離れてしまう。それを防ぐために必要なのは、①﹁暴力による拘束﹂、②﹁市場の独占﹂、③﹁シンジケートの組成﹂の三つである。これは古今東西を問わず、同じ構造だ。 今の芸能界がバーニングと吉本興業とジャニーズ事務所に