訪日観光客が激増していた時期、爆買いツアーなどでデパートや高級店だけでなくドラッグストアなどの量販店にも多くの外国人観光客の姿があふれていた。多くの日本人は、日本で販売されている商品の質が高いからだと考えていたが、外国人の本音は﹁日本は安い﹂からだった。モノもサービスも日本と日本人は安い﹁チープジャパン﹂が真実だった。俳人で著作家の日野百草氏が、﹁日本人は安い﹂と仕事を依頼する中国のオタクカルチャー産業が、日本の女性声優にもコンテンツとしての可能性を見出している現状を聞いた。 * * * ﹁大陸から面白い依頼がありましたよ、日本の人気声優が欲しい、中国ならもっと売れると﹂ ぜひ話を聞いて欲しいとメールをくれた栗田新二氏︵40代・仮名︶。筆者の古い知り合いだが、もう10年以上会っていなかった。拙ルポ﹃アニメやゲーム業界﹁日本人は安くて助かります﹂その由々しき事態﹄を読んで連絡をよこしたという