4月初め、日本のクラシック音楽ファンや音楽関係者の間に衝撃が走った。国内の録音作品を紹介してきた雑誌﹁レコード芸術﹂︵レコ芸︶の休刊が、出版元の音楽之友社から発表されたからだ。7月号が発売され、71年の歴史に幕を閉じた今、自らも筆者として長年、批評を寄せてきた音楽評論家で慶応大教授の片山杜秀さんに﹁レコ芸﹂の果たした歴史的意義について語ってもらった。前後編2回にわたってお送りします︵後編/﹁レコ芸﹂休刊の予波 ﹁クラシックは暗闇の世界に﹂︶。︻聞き手・須藤唯哉︼ ﹁教養﹂としてのクラシックと﹁レコ芸﹂ かつてレコードというものは値段が高いものでした。自動車などと同じように高価なものは、お買い物ガイドとしての雑誌が必要とされていて、どれがいいものか知りたいというニーズが高かったわけです。レコード雑誌は﹁レコ芸﹂のほかにもありました。社会的なニーズが高かったということですよね。 そんなレコード
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