元朝日新聞の社長だった広岡知男氏が私︵元木昌彦︶にこう言った。 ﹁昔は朝日とケンカしたって勝てないから、政治家だって文句を言ってくるヤツはいなかった﹂ 珊瑚記事捏造事件が起きた1989年のことであった。 そうした朝日文化人の傲慢さや上から目線を週刊誌で批判すると、よく売れた。 私は朝日の古くからの読者である。最近の森友・加計学園問題追及は、朝日の紙価を高めていると思っている。だが、朝日新聞出版から﹃朝日ぎらい﹄を上梓した橘玲氏によると、最近の朝日批判の盛り上がりは、昔と位相を異にしているという。 朝日に代表されるリベラル派が、﹁憲法にせよ、日本的な雇用にせよ、現状を変えることに頑強に反対する﹂守旧派に成り下がってしまったと喝破する。保守派である安倍政権は、リベラルな政策を次々に打ち出して、若者たちに支持されているというのである。 ﹃言ってはいけない﹄︵新潮新書︶もそうだったが、実に刺激的な
![若者が「朝日新聞ぎらい」になった謎を考える(元木 昌彦,橘 玲) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a3cfce5757fdbffeb451af476f7fe9ae746222e1/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F1%2Fc%2F1200m%2Fimg_1c72636a7db4d0637ff264ec8f88b88d49892.jpg)