1 死 死のモチーフは、ごく初期からしばしば登場している。 僕らはいつの日か 死ぬからこそ生きるのさ ラララララ 輪廻を巡る ︵﹁怪獣ギター﹂1989年︶ 死にもの狂いのカゲロウを見ていた 時間のリボンに ハサミを入れた ひとりじゃ生きてけない ︵﹁死にもの狂いのカゲロウを見ていた﹂1990年︶ どうせパチンとひび割れて みんな夢のように消え去って ずっと深い闇が広がっていくんだよ ︵﹁ビー玉﹂1991年︶ 時の淀み 行く手を知り 明日になればこの幻も終わる ︵﹁胸に咲いた黄色い花﹂1991年︶ 明日になれば僕らもこの世界も 消え失せているのかもしれないしね ︵﹁海ねこ﹂1992年︶ ここには、生命の終わりである死をみすえて現在の生を静かにながめる視線、それもややニヒリスティックな視線がある。この視線は楽曲中にさりげなくはさみこまれ、豊かな像を想起させるやわらかな詩の世界に、快とも不快とも