6月10日に投開票される新潟県知事選が、ついに選挙戦に突入した。与野党一騎打ちとなるこの選挙、告示直前の世論調査では2候補がほぼ横一線で並ぶ。最大の争点は﹁県内の原発の再稼働問題﹂というだけに、両陣営は原発ゼロ運動を展開する小泉純一郎元首相の動向をピリピリしながら見つめる状況だ。 そのさなか、新潟を訪れた小泉元首相と﹁ある政治家﹂との間で、知られざる人間ドラマが展開されていた。恩讐を越え、四半世紀ぶりに握手を交わした2人を結びつけるのは、他でもない地元の英雄・田中角栄。 小泉元首相初の回想録﹃決断のとき﹄︵集英社新書︶を手掛けたノンフィクションライターの常井健一氏が特別リポートする。 角栄像を見上げながら5月23日11時48分、小泉純一郎は上越新幹線の浦佐駅に降り立った。 乗降客が10人もいない殺風景なホームには、やわらかな春風が吹き込んできた。元首相はロマンスグレーのライオンヘアーをな
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