本連載では、この夏まで米ビジネススクールで助教授を務めていた筆者が、欧米を中心とした海外の経営学の知見を紹介していきます。 さて、最近日本でよく聞かれるのが﹁ダイバーシティ経営﹂という言葉です。ダイバーシティとは﹁人の多様性﹂のことで、ダイバーシティ経営とは﹁女性・外国人などを積極的に登用することで、組織の活性化・企業価値の向上をはかる﹂という意味で使われるようです︵参考︶。実際、女性・外国人を積極的に登用する企業は今注目されていますし、安倍晋三首相もこの風潮を後押ししているようです。 ところが、実は世界の経営学では、上記とまったく逆の主張がされています。すなわち﹁性別・国籍などを多様化することは、組織のパフォーマンス向上に良い影響を及ぼさないばかりか、マイナスの影響を与えることもある﹂という研究結果が得られているのです。 なぜ﹁ダイバーシティー経営﹂は組織にマイナスなのでしょうか。何が問
![「日本企業に女性はいらない」が、経営学者の総論:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)