手塚治虫が描いた﹁在日﹂ 大体1年も前に書いた記事のことなど自分でも忘れているのだが、それでも時々情報提供があって嬉しくなる。ガガリアンやってて良かったと思うね。 ﹁マンガで在日朝鮮人はどう描かれてきたか﹂︵上・下︶で﹁在日朝鮮人の出てくるマンガ﹂の情報提供を求めたところ、最近、大阪のAさんという方から﹁手塚治虫も在日朝鮮人をテーマにしたマンガを描いていた﹂とのメールを頂いた。伏して感謝する次第である。今回はその作品を解説する。﹁神様﹂と呼ばれる手塚が在日問題を扱っているのに、どういうわけか殆ど論じられることがないためである。 ﹁ながい窖﹂︵サンデー毎日1970年11月6日増刊号掲載︶。大企業の重役を勤める在日朝鮮人︵作中では帰化朝鮮人という設定で、帰化朝鮮人と在日朝鮮人は厳密には違うが、便宜上、在日朝鮮人としておく︶の苦悩を描いた作品だ。 私はこんな作品を手塚が描いていたことをまったく知