失われかけているものの中にこそ、かけがえのないものがある。ミュージシャン・細野晴臣が、今後も﹁遺したいもの﹂や、関心を持っている﹁伝えたいこと﹂を語る連載の第11回。一つ一つの言葉から、その価値観や生き方が見えてくる。 消えないスピリット。 最後に会った日。 2023年になってから、本当にいろいろなことがあったね。幸宏、鮎川誠くん、岡田徹くん、そして教授。みんな立て続けだったから、気持ちが追いつかなかった。落ち着いてひとりひとりにさよならも言えない、仲間が戦死していくときの気持ちってこういうことなのかな、と。 幸宏の印象はいまも2019年当時のまま、その後の4年のあいだ止まってる。僕がロサンゼルスでライブをしたとき、幸宏が観にきてくれて、そのあと呼ばれたDJパーティにも幸宏が来た。ちょうど幸宏の誕生日だった。だからバースデー・パーティになってね。そのときの元気な印象が強く残ってる。それから
![FILT NO SMOKING NO LIFE 細野晴臣](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f4a4633f86fffc62b7873de6411bbd3af6bf1170/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ffilt.jp%2Fimg%2Fogp.png)