今回ご紹介する『モロッコで断食』(幻冬舎文庫)は、前回取り上げた『サハラ砂漠の王子さま』の続きにあたる作品です。 もともと2002年に同じタイトルの上下巻セットで登場し、2004年の文庫化に合わせて再編(※上巻のみ改題)。 上巻と下巻では毛色が異なり、仮に『サハラ砂漠の王子さま』を飛ばして読んでも全然OKな感じに仕上がっています。 突然始まったラマダーン サハラ砂漠を後に、ワルザザートからマラケシュ行きのバスに乗った著者のたかのてるこさん。何気なくペットボトルの水を飲もうとした瞬間、周りから冷たい視線が……。すかさず隣に座った男性にラマダーンが始まった旨を知らされます。 イスラム暦第9月を意味するラマダーンは、イスラム教徒にとってもっとも神聖な期間。ラマダーン中は日の出から日没まで断食(※水も含む)する義務が課せられ、ついでに喫煙や性行為も禁止されています。 異教徒は断食する必要がないとは
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