﹁なおざり﹂ と ﹁おざなり﹂ という言葉がある。どちらも ﹁いいかげんに対処する﹂ というような意味だが、使われ方は微妙に違う。端的に言えば、物事は ﹁おざなり﹂ で済ますことはできても、﹁なおざり﹂ では済まないのである。﹁おざなり﹂ に済ますというのは、適当にいいかげんに済ましてしまうということだ。しかし、﹁なおざり﹂ というのは、そのレベルまでも行かない。成り行きに任せるだけで、まともに着手すらしないことを言う。﹁なおざり﹂ は漢字で ﹁等閑﹂ と書く。﹁等閑﹂ は ﹁とうかん﹂ と読む立派な漢語でもあり、その意味は ﹁なおざり﹂ と同じ。要するに ﹁なおざり﹂ という和語に、同意の ﹁等閑﹂ という漢語を当てたもののようだ。﹁なおざり﹂ は ﹁猶避﹂ であるとする説もある。必要な対応をしないで、避けて通ることというニュアンスが強い。ただし、こっちの方は漢和辞典を引いても出