安倍首相は、念願の憲法改正に向けてテンションが高まっているらしい。外遊先でも、改憲を夏の参院選の争点にする意向を改めて示し、﹁まず国民投票法の宿題をやる。その後に96条から始めたい﹂と述べた。 サウジアラビアでスピーチする安倍首相︵首相官邸HPより︶第96条は、憲法改正の手続きを定めた条文。改正の発議のために必要な﹁各議院の総議員の3分の2以上の賛成﹂を﹁過半数以上の賛成﹂にして、改正を容易にしようというのが、今回の改正の狙い。ただ、﹁96条から﹂との発言からも明らかなように、これはほんのとば口に過ぎない。では、ゴールはどこにあるのか。 自民党は、昨年4月に﹁日本国憲法改正草案﹂を決定している。マスメディアでは、この問題となると、第9条を書き換えて軍隊である﹁国防軍﹂を設置することばかりがクローズアップされがち。確かに、それは重要なテーマではあるが、自民党が目指すゴールは、そういうレベルの