[第3回] ﹁我々の中にはネアンデルタール人がいる﹂ 独マックスプランク進化人類学研究所のスヴァンテ・ペーボ氏に聞く 古い人骨のDNA解析で世界最先端の研究成果を次々に発表している独マックスプランク進化人類学研究所のスヴァンテ・ペーボ氏に、分子遺伝学の可能性などについて聞いた。 ――昨年5月発表のネアンデルタール人のゲノム︵全遺伝情報︶解析で、現生人類とネアンデルタール人が一部の遺伝子を共有していることが分かりました。このことでネアンデルタール人への見方は何か変わりましたか。また、現生人類に対する見方はどうでしょう。 スヴァンテ・ペーボ氏=ドイツ・マックスプランク進化人類学研究所の研究室 photo‥Kotoyori Tatsuo ペーボ‥ネアンデルタール人への見方は確かに変わった。アフリカ人を除く全ての現生人類は、ネアンデルタール人の遺伝子を平均で2%持っていた。 つまり、ほんの少しでは