﹁日本って、すみずみまでサービスが行き届いていて、なんて快適に暮らせる国なんだろう﹂――。フランスから帰国した日本人同士でおしゃべりすると、よくそんな話題になる。 しかし、そのすばらしいサービスや便利さの背景に何があるかというと、長時間労働が跋扈し、それが女性の育児と仕事の両立を阻む原因となっている。 一方、フランスでは働く人の権利が第一に守られる。働く女性の割合も、日本より7.5ポイントも高い82.7%だ(OECD調べ。2015年)。 ただ、それゆえか、フランスでの日常生活は、日本と比べて不便だと感じる場面も多い。 パリの地下鉄ホームに駅員の姿はない たとえば、パリの地下鉄。日本では当たり前の﹁間もなく電車が参ります﹂のアナウンスなどない。発車ベルすら鳴らない。いきなり電車のドアが閉まって動き出すので、乗客は大いに気をつけなくてはならない。そういえば、ホームで駅員の姿を見ることもほとんど
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