私の父と母の情報供給源は、9割方テレビが占めている。 新聞も老眼が進んで読むこと自体が苦痛になったらしく、届けられた新聞は右から左へと読まれないまま古新聞になっている。 そんな世代だからネットなんてものを使いこなせるわけがない。 パソコンやタブレットを使わせようと何度かチャレンジしたけれど、むしろストレスになるようだったので諦めた。 だから両親はテレビから流れてくる情報を頼りにしている。 70代に入った両親にとって一番の関心事は健康だ。 健康を扱ったテレビ番組というのは思いの外多い。 おそらくだがこういった番組は数字が取れるのだろう。 母はそういった健康を扱った番組を逐一チェックしているらしく、放送日をメモしたものが冷蔵庫に貼ってある。 たまに一緒にそういった番組を見ることもあるけれど、全ての番組とは言わないまでも、多くの番組において、主に「恐怖心」を煽る手法が使われていると感じた。 恐怖
体細胞が刺激により万能細胞になるというSTAP細胞に関するネイチャー論文で、不正が見つかり、論文の執筆者である小保方晴子氏が糾弾されている問題について、福島民報がコラムを掲載した。 【小保方さんの騒ぎ】オヤジたちが情けない(4月16日) | 県内ニュース | 福島民報 STAP細胞をめぐる小保方晴子さんの騒動を見ていると、日本社会の重大な欠陥を見ているような気がして仕方がない。 たいそうな書き出しではじまるこの文章を要約すると「科学的なことは全く理解できないけど、一生懸命頑張ってる人を寄ってたかって叩いているオヤジどもが気に食わない。論文の不正がNGとかいう科学界のローカルルールはどうでもいい」というニュアンスだ。 ちなみに著者は元毎日新聞社主筆の菊池哲朗氏である。 この文章で一番のピークは以下の文章であろう。 要はSTAP細胞ができるかどうかだけである。科学論文として不正かどうかなど、ど
STAP細胞騒動に関してこんな記事を目にしました。【小保方さんの騒ぎ】オヤジたちが情けない(4月16日)というタイトル。福島民報の「菊池哲朗の世相診断」で、執筆者は元毎日新聞社主筆。理研発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子氏に対する状況を「いじめ」とし、オヤジの役割は前向きに励まし協力することだと訴えています。 遠目には、頼りなさそうだが頑張っている若者を、既得権益に凝り固まったようなオヤジどもが寄ってたかっていじめているようにしか見えない。論文の書き方のルールだとか、都合のいいデータだけそろえる科学者がやってはいけない初歩的心得違いだとか、得意げに既存社会の正しさを並べ立てている。登場するオヤジどもはほぼ全員、ケチをつけることに関しては一生それだけにかけてきたような技を駆使して、自己保身と未熟な若者つぶしに全力を挙げている。嘆かわしい限りではないか。 要はSTAP細胞ができるかどう
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小保方晴子さんがSTAP細胞論文問題で記者会見を開いた日の午前中、さる新聞社の社会部を名乗る記者さんから電話がかかってきた。午後からの記者会見を視聴したうえで、感想のコメントを提供してほしいという取材依頼だった。 しばらく考えて、お断りした。 先方には、コメント取材に応じられない理由として 「この件については、継続的にウォッチングしていないので、会見の中で出てくる言葉に関して、適切に判断できる自信がない」 という主旨の話をしたのだが、本心はもう少し複雑だった。以下、その「理由」について説明してみる。 この種の出来事についてコメントを求められた際の正しい対応は、多くの場合、思ったことをそのまま語ることに尽きる。多少ヌルくても、観察が届いていなくても、長い目で見て、正直にまさる戦略は無いからだ。 大向こうの受けを狙って、うがった意見を言おうとしたり、珍しいものの見方を誇示しようとする態度は、と
I'm at 北里大学 相模原キャンパス (相模原市, 神奈川県) w/ 2 others http://t.co/bcOuXrRpp6 pic.twitter.com/sFeJgrZhe0— 野島高彦 Takahiko NOJIMA (@TakahikoNojima) 2014, 4月 3 そもそもはこの記事→実験ノートには何を記録するのか? 今日も昼に民放TV局から電話がかかってきて,「『実験ノート』についてどんなものなのか教えていただきたいのですが」となりました.理研のSTAP細胞研究で,O博士が3年間に使った実験ノートが2冊だったことに関連しての取材承諾依頼. 研究者が実験ノートをどのように使うかによって消費ペースは全然違うし,データを片っ端から電算化していて手書きのノートはほとんど残していない,なんていう場合だって考えられるから,「2冊」という部分だけ切り離してどうのこうのと言う
専門家はお互いにとって理解しやすくするために、専門用語を使って文章を書く。こうした専門的な文章を理解するにはしっかりとした訓練が必要である。 はじめに 西日本新聞のウェブサイトに掲載されたコラムに次のような文章があった。 ネット上に公開された大学などの論文にある「解釈的文脈」「モダリティ辞」「ディアスポラ」「語用論」って何? 高度な論文でなければ注目されず、不勉強と冷笑されもするだろうが、難解な言葉で自己陶酔する世界観が学術界に広がっていないだろうか。 本来、研究は人、社会に役立つべきものと思うが、ネット上の論文には個人的な知的遊戯に浸っている物が少なからず散見される。 田端良成 (2014年3月23日)「STAP細胞をめぐる一連の大騒動」『西日本新聞』 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/desk/article/77391 この指摘は妥当なものでない。研究
※当記事を発表後、STAP細胞研究の論文内のデータに不自然な箇所があることが指摘されはじめた。 STAP細胞の研究論文内の不自然な画像データ: むしブロ また、2014年2月14日時点での再現性はまだ確認されていない。これらの点もふまえて、当記事を読んでいただければ幸いです。 ・STAP細胞と小保方晴子さんについての報道 先週、理化学研究所の研究グループがSTAP細胞に関する研究発表を行った。この研究成果が科学的に大きなインパクトをもつことと、研究を主導した小保方晴子さんが30歳の女性研究者であることから、連日のように加熱した報道が続いている。 報道の中には、研究成果とは直接関係のない小保方さんのキャラクターを全面に打ち出すようなものも多い。これに対し、より研究成果を強調するような報道を望む声もあがっている。研究成果の詳細を知りたいと思う人は多い。このブログでは、そのような層に向けて、あえ
STAP細胞研究はやっとスタートラインに立てたところであり、世界に発表をしたこの瞬間から世界との競争も始まりました。今こそ更なる発展を目指し研究に集中すべき時であると感じております。 しかし、研究発表に関する記者会見以降、研究成果に関係のない報道が一人歩きしてしまい、研究活動に支障が出ている状況です。また、小保方本人やその親族のプライバシーに関わる取材が過熱し、お世話になってきた知人・友人をはじめ、近隣にお住いの方々にまでご迷惑が及び大変心苦しい毎日を送っております。真実でない報道もあり、その対応に翻弄され、研究を遂行することが困難な状況になってしまいました。報道関係の方々におかれましては、どうか今がSTAP細胞研究の今後の発展にとって非常に大事な時期であることをご理解いただけますよう、心よりお願い申し上げます。 STAP細胞研究の発展に向けた研究活動を長い目で見守っていただけますようよ
はやいもので、2014年最初の月はもう終わろうとしている、しかし、そのひと月だけでも、幹細胞研究やがん研究に関するニュースがいくつか報じられていた。 ・小分子RNAによって悪性度の高いがんを正常な細胞に転換させる (鳥取大) ・神経幹細胞の分化制御に関わる小分子RNAを特定 (慶應・理研) ・化合物を加えてiPS細胞に似た集団を得る (京都大) だが1月最終週になって、とんでもない報告が飛び出すことになった。それが、理化学研究所・発生再生科学総合研究センター(理研CDB)のグループリーダー、小保方晴子博士らによる「STAP細胞」の報告である。 STAPというのは「Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency」の略。日本語では刺激惹起性多能性獲得細胞、と名づけられているそうだが、ようするに、「とある細胞に刺激をあたえたら、身体を構成するあらゆる
「誰も信じてくれなかったことが、何よりも大変だった」。従来の常識を打ち破る革新的な万能細胞「STAP細胞」を開発した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)は、成功までの道のりをこう振り返った。 STAP細胞が打ち破った常識は「動物細胞でも外的刺激で初期化した」「あまりに簡単すぎる技術で実現」など数多い。学位を取得して2年目の若き女性研究者が挙げた成果というのも、その一つだ。 これほど常識破りだったため、昨年春、世界的に権威ある英科学誌ネイチャーに投稿した際は、「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄していると酷評され、掲載を却下された」。 だが、「STAP細胞は必ず人の役に立つ技術だ」との信念を貫いて膨大なデータを集め、今回は掲載にこぎつけた。「何度もやめようと思ったけれど、あと1日だけ頑張ろうと続けてきて、いつの間にか今日に
大谷 dandori 洋介 @dandori なぜダイオウイカが次々に水揚げさるのかというニュースで、各専門家が海流の変化や地震の前兆などの説を唱える中、さかなクンの「ブームだから(実はこれまでもよく水揚げされていたが食べられないので漁師が捨てていただけ)」という説が一番説得力があった。 2014-01-23 13:18:21
天然記念物で絶滅危惧種のミヤコタナゴを繁殖させた男性らが書類送検された件で、「飼育禁止だとしてもひどい」「そのノウハウを活かせないのか」等の反応が流れていたが、実はそういう問題ではないらしい。識者っぽい方々のtweetを拾ってみた。 ・報道記事を探してたら、なかに〈文化庁の職員は「どうやって育てたのか知りたい」と話しているという〉等の記述があるものもあった(下記:共同発、産経系の記事やニュース番組)。こうした報道は、誤解を広める一助になってしまったのかもしれない。 希少淡水魚「増えすぎた」 譲り受け容疑で書類送検 でも、どうやって?(MSN産経フォト) 続きを読む
最近の投稿 変なクレームが来てるんだが…… 「大学生の日常も大事だ」はわかるけど,じゃあ条件は? 結局だぶさんのアライグマツイートはどうだったのか(2) 結局だぶさんのアライグマツイートはどうだったのか(1) 学習院の謝辞 最近のコメント NMRパイプテクター対策に:消費者法ニュースの記事を公開します に Y より学習院の謝辞 に 一見さん より2段構えの詐欺SPAM?【2016/02/16修正あり】 に 架空請求をぶっ潰す より高校物理で得点できない人へ に でるもんた・いいじま より学生が教員の悪口をネットで書いた場合でもそれなりの賠償金が認められる に あさだ より カテゴリー ニセ科学 (32) 水商売ウォッチング (9) 科学 (28) コンピューター (14) サーバー (5) Mac (0) iPad/iPodTouch/iPhone (0) 法律 (13) その他 (32)
最近の投稿 変なクレームが来てるんだが…… 「大学生の日常も大事だ」はわかるけど,じゃあ条件は? 結局だぶさんのアライグマツイートはどうだったのか(2) 結局だぶさんのアライグマツイートはどうだったのか(1) 学習院の謝辞 最近のコメント NMRパイプテクター対策に:消費者法ニュースの記事を公開します に Y より学習院の謝辞 に 一見さん より2段構えの詐欺SPAM?【2016/02/16修正あり】 に 架空請求をぶっ潰す より高校物理で得点できない人へ に でるもんた・いいじま より学生が教員の悪口をネットで書いた場合でもそれなりの賠償金が認められる に あさだ より カテゴリー ニセ科学 (32) 水商売ウォッチング (9) 科学 (28) コンピューター (14) サーバー (5) Mac (0) iPad/iPodTouch/iPhone (0) 法律 (13) その他 (32)
「カット野菜に葛藤」みたいなとても面白いタイトルの、とても面白いタイトルの記事を読みまして、その記事でも本当なのかと取り上げられていた「カット野菜は薬品漬けで栄養なし」が事実なのかどうか気になって調べました。 カット野菜は便利だけどダメなの?と葛藤しなくてよいワケ – とらねこ日誌 結論から先に言えば、カット野菜に栄養はあります。多く失われてしまうのは水溶性のビタミン(とくにC、ほかB1、B2など)で、脂溶性のビタミン(A、D、E、K)は水に溶けにくいので残ります。レタスに多く含まれるβ-カロテンとかはビタミンAです。 薬品と水、洗浄方法の違いによる栄養成分への影響なし まず「カット野菜は薬品漬けで栄養なし」の薬品に漬けることで起きる栄養の減少についての検証ですが、これについてはキューピーの研究所がカット野菜の需要が高いレタスに対して、洗浄と殺菌に使われる薬品の次亜塩素酸ナトリウムと、ただ
あらかじめ書いておくけど、ペプチを擁護しようとかそういうのはまったくない。 製薬創薬業界ではわりと当り前になってることについてペプチがあまりに舌足らずでお粗末でときにミスリーディングな説明をしてるせいで、たくさんの人が誤解してるみたいなので、それを少しでも解こうと思って書く。 好意的に「舌足らず」と書いたけど、そう決めつけるつもりもない。ひょっとしたら「わからないだろうと高をくくって喋らない」「喋ってしまうとただの受託屋さんに見えて魅力が大幅に減ってしまうのを怖れて喋っていない」のかもしれない。 ペプチドリーム(4587)(以下「ペプチ」)の仕事を思いっきりカンタンに大雑把に言うと、 (1)契約先から指定されたターゲット蛋白などに結合する特殊ペプチドを作って納入する、 (2)納入した特殊ペプチドを契約先と一緒に検討する(契約先がラボで試験とか動物実験とか)、 (3)契約先がその特殊ペプチド
1.はじめに 昨日、「奇跡のリンゴ」という映画が公開されました。「無農薬無肥料栽培でのリンゴの栽培に成功した」と自称している、木村秋則という青森県のリンゴ農家の物語です。 その影響か、私のブログ記事にコメントが集まっております。1年以上前の記事だというのに。 この作品に対して言いたいことは山のようにあります。私に限らず、既に様々な方が疑問を呈しています。詳しくは、以下のサイトをご覧下さい。 無農薬・無肥料栽培への私見(木村りんご園) 話題の“無農薬りんご”について(工藤農園) スチュワーデスが見える席(日経bp Tech-On) 「奇跡のリンゴ」は、なぜ売れたのか〜「木村秋則」現象を追う〜(農業技術通信社) この「奇跡のリンゴ」に対する農学的な批判は後日行うとして、今回はなぜこの「奇跡のリンゴ」という物語が好評を博しているのかを考えたいと思います。ただし、「奇跡のリンゴ」が「無農薬・無肥料
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