Published 2019/09/27 08:00 (JST) Updated 2019/09/30 10:17 (JST) ﹁あいちトリエンナーレ2019﹂の企画展﹁表現の不自由展・その後﹂をめぐって、政治家の発言が波紋を呼んだ。河村たかし名古屋市長が中止を求め、当事者ではない黒岩祐治神奈川県知事までが、自分なら﹁開催を認めない﹂と発言して物議をかもした。黒岩知事はフジテレビの元キャスター。仮にも報道する側にいた人が、表現を抑圧する側に立とうというのだろうか。 戦前の知事職は官選で、内務省という最強の官庁を後ろ盾としていた。その内務省は、検閲という強大な権力を用いて表現の自由を圧殺した。黒岩知事の発言は、官選知事の姿に重なる。1世紀以上前、1911年9月に創刊された﹃青鞜﹄メンバーの﹁表現の不自由﹂との闘いは参考になるかもしれない。 ﹃青鞜﹄は、女の手になる女だけの文芸誌として出発し