東京オリンピック・パラリンピックに向けた暑さ対策が、「逆効果」になる可能性もあるという研究結果です。 道路の表面温度を下げるとして整備が進められている「遮熱性舗装」の効果を専門家が検証した結果、人が立つ高さの気温は通常の舗装よりも上がるケースがあったことがわかりました。専門家は「選手や観客の熱中症のリスクが高まるおそれがある」としています。 熱中症の対策に詳しい東京農業大学の樫村修生教授の研究グループは先月と今月、晴れた日の日中に「遮熱性舗装」と「通常の舗装」の路面で、気温の差を比較する調査を行いました。 その結果、「遮熱性舗装」を施した表面温度は、「通常の舗装」に比べて10度前後低くなり、これまでの国などの調査と同じような傾向でした。 しかし、高さ50センチと1メートル50センチ、それに2メートルの空間の気温を計測した結果、「遮熱性舗装」のほうが、いずれも平均の気温が高くなっていたことが
ウナギが不漁らしい。 毎日新聞によれば、 《絶滅危惧種ニホンウナギの稚魚シラスウナギが今期は極度の不漁で、国内外での漁獲量が前期の同じころと比べて1%程度と低迷している。漁は4月ごろまで続くが、このまま推移すれば過去最低の漁獲量となりかねない。--略--》ということのようだ(こちら)。 特に驚きはない。 むしろ、ニュースの第一報に触れて 「当然だろうな」 と思ったというのが正直なところだ。 さらにもう少し率直な感想を述べるなら、私は 「自業自得だよな」 という感慨を抱かずにおれなかった。 「ざまあみろ」 とまでは思わないものの、ニュース原稿の中で不漁を嘆いている関係者に対して、真摯な同情を寄せる気持ちにはならない。 というのも、このニュースは、かれこれ10年以上も前から、様々な立場の人々が異口同音に指摘し、予告し、警告し、懇願し、提言し、あるいは叱責罵倒非難問題提起してきた話題の延長線上に
青森から鳥取にかけての日本海の広い範囲で、先月から「サルパ」と呼ばれる動物性プランクトンが大量に発生し、このうち4つの県でカニやエビの底引き網にくっついて網が破れる被害が相次いでいることが分かりました。 先月から石川県沖などで大量に発生し、漁業被害も出ているため、NHKが日本海に面した14の道府県に確認したところ、先月から青森から鳥取にかけての少なくとも7つの県の沖合で大量に発生していることが分かりました。 このうち、石川や山形など4つの県では、ズワイガニや甘エビの底引き網にサルパがくっつき、網が破れる被害が相次いで報告されているということです。 サルパの生態に詳しい東海大学海洋学部の西川淳教授によりますと、この時期の日本海で大量に確認されるのは珍しいということで、例年より水温が高く餌の植物性プランクトンが増えたため、大量発生したと考えられるということです。 また、石川県のズワイガニ漁や山
オゾン層を破壊するとしてモントリオール議定書で製造が禁止された四塩化炭素という化学物質が、現在も未知の放出源から大気中に出ている可能性があると、米航空宇宙局(NASA)の研究チームが20日、発表した。 かつてはドライクリーニングの溶剤や消火剤として広く使われたが1996年以降に全廃となり、加盟国による2007~12年の排出量はゼロとされる。 だがチームが大気データを調べると、ピーク時の30%近い3万9千トンが毎年放出されていた。予期せぬ発見にチームは「何らかの工業生産過程で漏れ出るなど未知の放出源が存在する可能性がある」と指摘している。四塩化炭素はクロロホルムに似たにおいがあり、大気中での寿命は26年。 地球を取り巻いて人体に有害な紫外線をさえぎるオゾン層を破壊する物質として議定書が規制対象とする特定フロンに指定されている。(共同)
小平 和良 日経ビジネス上海支局長 大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。 この著者の記事を見る
(写真上)3頭の子グマを育てていたころのパンコ=2009年6月13日(下)やせ細ったパンコ=昨年8月18日、いずれも北海道斜里町、知床財団提供斜里町でのヒグマの目撃情報 【奈良山雅俊】厳しかった昨夏の暑さは、世界自然遺産・知床のヒグマたちを苦しめていた。海水温が高かった昨年は、例年8月に川を遡上(そじょう)してくるカラフトマスがなかなか現れず、極端なエサ不足に陥った。自然保護や管理を担う知床財団などが観察を続けてきた雌グマはやせ細り、餓死した。 知床半島中央部の斜里町のルシャ地区で昨年8月18日、漁師がサケ漁などで寝泊まりする番屋近くに、やせた見慣れないヒグマがいた。知床財団などとの共同調査の一環として、町立知床博物館の山中正実館長(53)らが体組織を採取。DNAを調べた結果、「パンコ」とわかって驚いた。2008年から同財団などが観察を続けてきた雌グマだった。 パンコは、金毛が美しく
4月22日、自然界で「36年ぶり」のヒナ誕生が確認されたトキ。その後、別のペアから次々にヒナが誕生、計8羽(5月21日現在)となり、佐渡は突然の“ベビーラッシュ”に沸いている。かつては“普通の鳥”だったトキだが、乱獲や開発によって絶滅の危機に直面。そこからこの日を迎えるまでには、人生のすべてをトキの保護に懸けてきた男たちの奮闘があった。 1920年代半ばに、日本では絶滅したと考えられていたトキ。その後、昭和にはいって佐渡島で目撃が報告され、1934年に国の天然記念物に指定された。1967年には佐渡にトキ保護センターが開設された。そこで、これまで20年間にわたってトキの飼育に取り組んできたのが、“トキ飼育の第一人者”である、獣医師・金子良則さん(54才)だ。 金子さんの飼育によって保護センターのトキは順調に数を増やしていった。ところが、2010年3月、悲劇が起こる。夜中にイタチ科のテンが飼育
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