なんらかの作品を創った人は、その﹁著作権﹂を有する。自分の考えや想いを作品として表現したのだから、強い思い入れもあろう。だが、﹁思い入れ﹂と﹁思い込み﹂はまるで違う。 ﹁著作権侵害だ!﹂と筋違いないちゃもんをつけ、裁判沙汰にするような思い込みが過ぎるクリエーターも残念ながら多数存在する。そうした”エセ著作権”を振りかざし、トラブルに発展した事件の数々を取り上げた一冊が﹁エセ著作権者事件簿﹂︵友利昴著︶だ。 本連載では、ニュース等で話題になった事件も含め、﹁著作権﹂にまつわる、とんでもないクレームや言いがかりを紹介。逆説的に、著作権の正しい理解につなげてもらう。 第1回では、ベストセラー﹁完全自殺マニュアル﹂で発生した著作権トラブルを紹介する。敬意を表した行動が、相手の無知と無理解で、とんでもない”アンサー”となり、裁判沙汰にまで発展。当然といえる結果に帰結しているが、なんとも後味は悪い…。