昨年度に引き続き、わが国に狂犬病が侵入するリスクについて最新の情報に基づく定量的評価を実施すること、及び仮に狂犬病の侵入を許した場合に、どの程度の拡大が想定されるかを数理モデルから推計することを目的とした。さらに拡散リスクの低減にかかる措置の費用対効果についても明らかにすることを目的とした。 侵入リスクについてはAHVLAにて用いられたシミュレーションモデルを使用し、これまでに収集したデータに基づきリスクを計算した。昨年度用いたデータに若干の誤りが存在したためその修正を行った。さらにシナリオアナリシスにも重点を置いた。また、狂犬病の拡散リスクについて昨年度は、個体ベースドモデルによる数理モデルのフレームを完成させたたが、現在のわが国の犬飼育条件に合せたリスク評価にはなっていなかった。このため本年度は、モデルのフレームを改良し、現在の飼育方法を再現し、また対策による発生の変化を再現した。狂犬