2020年8月15日は、75回目の終戦記念日だ。そして8月6日には広島に、9日には長崎に原子爆弾が投下された。戦争を知る人がどんどん少なくなるからこそ、私たちはその現実を語り継ぐ必要がある。しかし﹁戦争﹂を題材とした映画やドラマが、必ずしも﹁史実﹂とは限らない。作られた時代の背景も踏まえて考証することで、私たちは﹁戦争﹂をより深く感じ取ることができるはずだ。 ジャーナリストの佐々木俊尚さんが戦後に作られた映画を分析していく﹁映画から見る戦後史﹂、今回は2016年に公開され、大絶賛を浴びた﹃この世界の片隅に﹄にたどり着くまでの作品を紐解いていく。 戦死した兵士たちは、 戦後の日本を豊かだと思うのか 1935年︵昭和10︶生まれの倉本聰が脚本を書いた﹃歸國﹄という戯曲がある。2009年に初演され、2010年にはテレビドラマになった。アジア太平洋戦争で戦死した日本軍兵士たちの英霊が、60余年ぶり
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