﹁静岡県の6人に1人が塗炭の苦しみを味わうことになる。それを黙って見過ごすわけにはいかない﹂ 静岡県知事の川勝平太は、そう東海旅客鉄道︵JR東海︶を批判する。 当初、川勝は﹁リニア推進派﹂だった。国土審議会の委員を務め、JR東海系の雑誌でコラムを担当したこともある。静岡を通過すると知って、いち早く南アルプスに登って視察した。 だが、計画が明らかになり、関係は暗転することになる。 リニアの線路で﹁座り込み﹂ リニアは静岡県北部の山中を11kmにわたってトンネルで貫く。大井川の水源を横切るため、毎秒2トンの水量が減少するという。水道水として62万人が利用しているが、毎年のように水不足に悩まされ、昨年も渇水で90日近く取水制限をした。 JR東海はトンネル内で出た湧き水を、導水路を掘削して大井川に戻し、減量分の6割強を回復させるという。 ﹁全量を戻してもらう。これは県民の生死に関わること﹂。そう言
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