﹁営業現場は二つの目標では走れないんだよ﹂。ある大手ITサービス会社の経営者からそんな話を聞いた。二つの目標とは当然、売上と利益。株主に対しては﹁売上と利益の二兎を追う﹂と説明しているが、実際は全く違う。営業現場は﹁今は攻めの時﹂とばかりに、売上を追って走り回っている。利益管理は甘くなる。その先には・・・それって、いつか来た道かもしれない。 二つの目標は追えないというのは、考えてみれば当たり前だ。売上も利益も大事という建て前に惑わされて、ついうっかりしがちだが、普通の人間が﹁王手飛車取り﹂みたいなことを続けられない。それは別に営業だけに限ったことではなく、どんな仕事でもメインの目標は一つ。﹁目標は二つ﹂﹁三つの目標﹂と言ったところで、メインの目標はいつも一つである。 まあこのご時勢なので、その会社だけでなく多くのITサービス会社で、営業現場は売上重視に傾斜する。もちろん人月商売に明け暮れて
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