﹁外字︵がいじ︶﹂。コンピューターで使う漢字として日本工業規格︵JIS︶が定めた約1万字に含まれない、規格外の文字たち。文字化けや正常なデータ通信ができない原因になり、IT業界にとって悩ましい、この﹁外字問題﹂を一気に解消しようというプロジェクトが始まった。パソコンで文章を書くときの使い勝手は大きく変わるのか――。 例えば﹁渡辺﹂の﹁辺﹂。JIS規格には﹁邊﹂﹁邉﹂をあわせた3文字しか含まれないが、100字近い異体字があるとされる。 約58万人分の戸籍を扱う東京都足立区。区役所のパソコン画面には49もの﹁辺﹂の異体字が現れた。戸籍などを管理するコンピューターシステムに区が登録したものだ。名前に未登録の漢字がある住民が転入するたびに増え、今では外字全体で約5千もある。 外字を作るのは区職員。パソコンで、1文字に30分ほどかけて点描する。完成後は庁内や出先機関にある千数百台のパソコンに登