映画﹃ジョーカー﹄が、相変わらず数々の疑問を投げかけている。主人公の最後のセリフは何を意味するのか、トッド・フィリップス監督が言ったように続編は本当にないのかなどに加え、はたしてこれがアカデミー賞にたどり着くのかどうかもまた、ファンにとっては大きな謎だ。 日本版のポスターには、﹁アカデミー賞は確実だ﹂という批評家のコメントが堂々と使われていたりするが、そう言い切ってしまうのはまだ気が早い。ヴェネツィア国際映画祭では最高賞にあたる金獅子賞を取ったし、主人公アーサーを演じたホアキン・フェニックスの演技には大絶賛が寄せられている。複数部門で受賞候補に挙がることはほぼ疑いないものの、作品賞や主演男優賞の受賞となると、いくつかハードルがある。 アメコミ映画は作品賞を取りづらい 第一に、本作がアメコミのキャラクターに基づくものであること。アメコミ映画としては、今年度、﹃ブラックパンサー﹄が初めて作品部
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