︻ブリュッセル斎藤義彦︼多国籍軍によるリビア攻撃を主導してきた北大西洋条約機構︵NATO︶は21日、リビアのカダフィ大佐死亡を受け、作戦終了を決める。NATOが指揮権を執って21日で204日。金融危機に端を発する財政難で参加をしぶる国も多く、一部の有志国だけの作戦だったのが実情だ。そのためNATO内に勝利感は乏しく、﹁同盟の弱さ﹂を見せつけた戦いだった。 NATOは今後2週間での作戦終了を検討している。3月31日に指揮権を執って以降、10月20日までに航空機の出撃回数は2万6156回、うち、爆撃は9634回だった。99年のコソボ攻撃は、今回の4割程度︵78日間︶の日数で終了したが、出撃は約3万8000回、うち爆撃が約1万回とリビア攻撃を上回っており、NATOがリビアでいかに控えめな役回りだったかがわかる。 NATOが直面したのは28加盟国の﹁貢献格差﹂だ。作戦に参加したのは14カ国に過ぎず