﹃風と木の詩﹄﹃地球へ…﹄などで、少女マンガと少年マンガの垣根を軽やかに飛び越え、マンガの新時代を拓いた竹宮惠子氏︵京都精華大学学長︶。マンガ家人生を振り返る講演会﹁マンガはなぜ人を惹きつけるのか﹂が、2017年1月、明治大学中野キャンパスで開かれた。その講演録を3回に分けて掲載する。第1回目は、マンガに目覚めてから、マンガ家になろうと決意する中学時代まで。 ﹁謝れないときどうするか﹂もマンガから ﹁マンガの魅力は何か﹂と問われて、よく言われるのは、説明力、インパクトの強さ、吸引力、同調性、簡潔性、記憶に残りやすい、などですね。でも今日は、そういう一般的な話ではなく、私の個人的体験にもとづくマンガの魅力をお話ししようと思って来ました。 私にとってマンガは非常に教育的なものでした。 世の中には悪いことがたくさんあるけれども、それを主人公がどうやって解決していくのか。あるいは、小学生の仲間内で
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