去る2月15日、法律として初めてアイヌ民族を﹁先住民族﹂と明記する新法案を政府が閣議決定し、今国会で成立を目指す方針が発表された。アイヌが固有の民族であることを認めるアイヌ文化振興法が施行されたのが1997年。それから20年以上を経て、アイヌの歴史は新たな転換点を迎えようとしている。 こうした政治的な文脈で語られる一方、現代のアイヌの人々の日常を垣間見る機会は少ない。そんな彼らのありのままの姿を10年以上にわたり撮り続けているのが、写真家の池田宏氏だ。写真集﹃AINU﹄に収められた写真とともに、いまを生きるアイヌの人々と向き合うなかで彼が感じたことをまっすぐな言葉で綴ってもらった。 ﹁純粋な日本人とはなんですか?﹂ ﹁東京のカメラマン﹂﹁パパラッチ﹂﹁池田さん﹂﹁宏ちゃん﹂﹁宏﹂﹁いけひろ﹂――。 これらは僕の北海道での呼ばれ方だ。特にどれが良いというのではないが、呼ばれ方というのは関係性
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