カルビーでは以前、社内に数多くの指標を設け、その数値データから経営状況を判断する﹁コックピット経営﹂を進めていた。各データはコンピュータ・システムで事業ユニットごとに週次で集計されていたが、﹁すべてのグラフに目を通すには不眠不休で4日はかかる﹂という“社内伝説”が生まれたほどデータ量は肥大化した。 エクセルで作成されたこの数値データは全社で共有され、会議でも通称﹁9面グラフ﹂(図表)を用いるのが基本とされていた。 ﹁9面グラフを広げて会議しても、参照データが多すぎてポイントが見えにくくなることもありました﹂(財務経理本部財務企画部企画課・高裕一さん) 見直しが入ったのは、2009年に松本晃会長兼CEOが就任してから。﹁ノーミーティング、ノーメモ﹂を合言葉に、ムダな会議を減らし、資料づくりの省力化を進めた。松本会長の﹁書類は1円も生まない﹂という発想は、データ資料に取り囲まれていた社員