そう書くと、なにやら昔の骨董品のように聞こえるが、尊いのはそれがいまでも普通に現役カメラとして使えているからだ。 いわゆる「機械式カメラ」と呼ばれるカメラたち。絞りもシャッタースピードもじぶんでセットすることが前提のカメラ。電池を入れて露出計を動かす仕様のカメラもあるが、僕はその電池も入れない。電池を使わず機械を動かしていることに感じる何かがあるから。 電気を一切使わずに精密機械が動いていることの感動は、なかなか言葉では言い表せない凄みがある。まさしく、尊いというレベルの。 僕が所有しているフィルムカメラは、ほとんどが機械式だ。電子シャッター機もあるけど、買い求めるのはほぼ機械式シャッター機のみだ。それはやはり、電子基板を必要としない機械式カメラなら、職人さんと部品があれば「直せて使い続けられる」という安心感があるからというのもある。 現代の電子デバイスの塊というデジカメでは、さすがに70
4月18日(木)より、BOOK AND SONSにて福持英助による写真展「GOD COUNTER」を開催いたします。 人工物に覆われた都市に生まれ育ち、10代半ばから産業廃棄物処理業者として働きながら仲間と享楽的に遊ぶ日々の中、静謐な風景写真で知られていた写真家、清野賀子氏と出会ったことで慣れ親しんだ風景を見よう見まねで撮り始めます。 1998年からいままで、同じ素材や似たような雰囲気をどうしても撮ってしまうのはなぜだろうと自問自答してきた福持氏。 いつの頃からかそれは自分自身の「生への攻撃性と強烈な脆弱性」と向き合う心理の投影であり、目の前の景色に内面の調和の可能性を願う、神社仏閣に行って手を合わせる行為に似たある種の祈りではないのかと思うようになりました。 “25年経った今、それらの膨大な写真の束を見返してみると、そこには人間に消費され尽くされた何でもない物や、誰の目にも特別なものとし
IMAGE by: Top Photo:left - ©Ibuki Yamaguchi right - ©Mashu Suw
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