﹁米、トランス脂肪酸禁止﹂﹁トランス脂肪酸を含む食品添加物の3年以内の全廃を通達﹂……。こんなふうに大手メディアに報道された後、さっそくネットメディアでは﹁マーガリン、マヨネーズは使わない!﹂﹁ワースト5の食品は……﹂などの情報があふれ始めました。 メディアは﹁○○は危ない﹂というコンテンツを流したがります。それは、やっぱりそんな情報が耳目を集めるから。ネットメディアはとりわけそう。アクセス数が稼げますもん。そんなわけで今、心配した人たちからの問い合わせや苦情が、食品企業に相次いでいるそうです。 でも、報道には間違いが目立ちます。そもそも、トランス脂肪酸は食品添加物ではありません。それに、トランス脂肪酸対策は、単純思考ではダメ。この話、けっこう複雑です。 私は2012年に本欄で、﹁科学無視のトランス脂肪酸批判 思わぬ弊害が表面化﹂という記事を書きました。アメリカでは“危険”でも、日本の状況