この記事は、月刊﹃JavaWorld﹄誌︵IDGジャパン︶連載﹁XMLボキャブラリ の理論と実践﹂第1回︵2001年︶に付属のコラム︵本文外︶原稿である。 筆者の立場は、 多数のボキャブラリを同時に考え、それらの相互関係に注目する。 取り扱いがたい複雑性を認めたうえで、現実的有効性を持つ単純化を探 す。 と要約できる。なぜこのような立場をとるかには、現象からの動機と、確信に 到った状況証拠がいくつもある。それらの現象は、本編の素材として取り上げ ていく事として、このコラムでは、筆者の私的モチベーションを述べよう。 かつて、SGMLのさまざまな欠点に失望・落胆した筆者は、XMLにおいて、SGMLの 多くの機能が削り落とされたことに﹁せいせいした﹂と快哉を叫んだ︵ま だ余分なものが含まれていると思っているが︶。その一方で、SGMLや HyTime(SGMLの姉妹規格のようなもの)のなかで曖昧に