増田文学に関するysyncのブックマーク (2)
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実家が太い云々という増田を目にして、俺もつい自分の人生について書きたくなった。 約30年前、俺は両親が医者の家庭に長男として生まれた。 医者というとなんとなく世間的にもお金持ちのイメージがあるだろうが、事実裕福な家庭に生まれたと今でも思う。 そんな俺だが、結局30も手前になって職歴なしどころか学歴すらない立派な引きこもりに成り果ててしまった。 まず前提として俺の家系は代々医者の一族で、父方の祖父が地元(と言っても俺の住んでいる市内)でおそらく一番大きい総合病院の理事長をしていた。 その祖父の思想が強く、医者でなければ人間でないと言わんばかりの態度を常に振り撒いていた。 母方の祖父母は確か医者ではなかったと記憶しているが、いつだったか父方の祖父母の家に連れて行かれた際、﹁あまりあっちのじいじ・ばあばと話をすると頭が悪くなっちゃうぞ﹂などと耳打ちされたことを今でも覚えている。 当時は家や身なり
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﹁みさちゃんさ、みかん食べる?﹂ 寒い寒いと言いながら、三時のおやつでも食べようかとリビングに降りてきた私に、キッチンから父がボソッと声をかけた。 ﹁いや、みかんはいらん。寒い。暖房つけよう﹂ ﹁エアコンなら、母さんが業者呼んで清掃してからじゃなきゃ使わん言ってたから、つけたら怒られるぞ﹂ はぁ?という顔をしている私に、いらんといったのが聞こえなかったのか、みかんを手渡しながら父が言う。 ﹁なんで寒くなる前にやっとかんかったんだって話よな。そんなこと言ったら、怒られるから絶対言わんけど﹂ からからと笑う父。手に持つマグカップには湯気の立つコーヒー。テーブルに目をやると、みかんの皮が散乱している。 ︵この人……コーヒー飲みながらみかん食ってるんか︶ ソファの背もたれにかかっていたひざ掛けを腰に巻いて、リビングのテーブルにつく。渡されたみかんを揉みながら、 ﹁わたしもコーヒー﹂ 頼むより先に父
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