「あなたのためだから」というCMを覚えているだろうか? 食べようとするケーキを奪って「あなたのためだから」と言い放つ(終業ぎりぎりでドサッと仕事を渡すバージョンもある)。強く印象づける目的としては、このCMは大成功だ。心ざわつく嫌なメッセージとして、絶対忘れないから。人の為と書いて、いつわりと読む。これは、善意の皮を被せた、人をコントロールする言説だ。 本書を読み進めているあいだ、何度もこの「あなたのためだから」が頭をよぎる。おっぱい育児を推進する全米授乳キャンペーンの話や、ヘルスケア用語に覆い隠された肥満嫌悪、「ポジティブであり続けること」を強要される癌患者、大人の事情により創出される精神疾患など、「健康」という言葉に隠されたイデオロギーが、グロテスクなまでに暴かれる。 「健康」は、一見、誰も反発したり疑義を唱えられない中立的な善のように見える。誰だって病や苦痛を避けたいもの。健康である
ぼくの新著『確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで』ブルーバックスが、そろそろ店頭に並んでいる頃なので、販促の追い打ちをかけておこう。 「まえがき」については、前回(来週に新著が出ます! 確率の本です! - hiroyukikojimaの日記)に晒したし、それは『現代ビジネス』(数学者もギャンブラーも投資家も超夢中 世界は確率で動いている!(小島 寛之) | ブルーバックス | 講談社)にも掲載されたので、今回は、もうちょっと、この本に込めたぼくの「個人的想い」のようなものを綴ってみようと想う。 確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで (ブルーバックス) 作者: 小島寛之出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/07/17メディア: 新書この商品を含むブログ (6件) を見るこの本でぼくが問題提起したかったのは、「確率は観測可能なのか?」ということ、もっ
先週末30年ぶりにシリーズ続編として公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は突き抜けて凄まじい、破壊的なエンターテイメントだった。崩壊した地球文明の後に残った脳筋の男共が滅茶苦茶に改造されもはや原形が何だったのかさっぱりわからない車とバイクに跨り、何故か火を吹くギターを持って、裏切り者の女共を追いかけ上映時間の殆どをカーチェイスに費やす。走れども走れども砂漠以外何も見えない、荒廃した大地。資源は限られ少ない物資をヒャッハー!! と、暴力によって奪い合う、力こそ正義! な地獄絵図な世界が広がっている。 しかし、仮に核戦争なり宇宙人の侵略なり異常気象なり隕石の衝突なり、原因をどこに求めるにせよ、文明がいったん崩壊してしまったとしたら、本当にそんな破滅的な状況になるのだろうか? 失われてしまった文明はもはや戻らないのか? 逆に復興できるとしたら、どうやって? 本書は書名である『この世界
第1章 実証分析における心構え: これからの「実証」の話をしよう 第2章 実証分析の落とし穴: こんなの絶対おかしいよ 第3章 確率統計の基礎: 高校時代に逢った、ような…… 第4章 OLS: わたしの、最高の友達 第5章 重回帰分析: 魔女の作り方 第6章 決定係数R2: ☆もりはつ☆の59%は勢いで出来ています 第7章 仮説検定(1): お前はもう死んでいる 第8章 仮説検定(2): 私が死んでも代わりはいるもの 第9章 さまざまなモデル: ダミーも、交差も、あるんだよ 第10章 バイアス: いや、そのりくつはおかしい 第11章 不均一分散への対処: こんなこともあろうかと 第12章 目的変数が質的変数の場合の分析手法: 飛ばねぇ豚はただの豚だ 第13章 最尤法(MLE): OLSとは違うのだよ、OLSとは! 第14章 目的変数が三択以上の場合の場合の分析手
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