6月5日毎日新聞朝刊の﹁経世済民術﹂という風刺漫画のコーナーに﹁エリック・カールさんを偲んで はらぺこIOC 食べまくる物語﹂と題してはらぺこあおむしに擬したバッハ会長以下IOCメンバーの似顔絵が掲げられました。﹁放映権﹂というリンゴをむさぼっている図です。 風刺の意図は明らかで、その意見については表現の自由の点から異議を申し立てる筋合いではありませんが、多くの子どもたちに愛されている絵本﹃はらぺこあおむし﹄の出版元として強い違和感を感じざるを得ませんでした。 ﹃はらぺこあおむし﹄の楽しさは、あおむしのどこまでも健康的な食欲と、それに共感する子どもたち自身の﹁食べたい、成長したい﹂という欲求にあると思っています。金銭的な利権への欲望を風刺するにはまったく不適当と言わざるを得ません。 作者は多分ニュースでカールさん逝去の報を知り、﹁偲ぶ﹂という言い方をしていますが、おそらく絵本そのものを読ん