私の勝手な想像ですが、多くの読者の皆さんは、製品の性能あるいは機能の測定や検証などのために日々、数字と格闘されているのではないでしょうか。優れた製品を生み出すためには、測定や検証を通じて定量的なデータを得ることはとても重要です。しかし、本稿では、そうした数字をあえて扱いません。では何を扱うのかというと、製品にまつわる﹁観察﹂、中でも人︵ユーザー︶の﹁行動﹂についての観察を取り上げます。 観察というと、皆さんがまず思い浮かべるのは、小学生の時に学んだ理科ではないでしょうか。アサガオの成長やオタマジャクシの生態、化学反応の実験など…。事実を知るには、まず観察すること。それは、皆さんが技術者になっても続けていることでしょう。少し大げさかもしれませんが、﹁全ての科学は観察から始まる﹂ともいえるのだと思います。 ﹁行動観察﹂は、製品を使っている人の行動や人を取り巻く環境を観察し、そこから必要な情報を
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