夕飯時、奥様とした会話。 私﹁ゲド戦記、3巻までで映画化すれば良かったのにねー。1巻だけとか2巻だけとか﹂ 奥様﹁2巻どんなのだっけ?﹂ 私﹁テナーが出てくる話﹂ 奥様﹁あー﹂ 私﹁ゲド戦記も3巻まではすっごい面白かったんだけどなー。4巻以降は、どうも、作者の思想の為に書かれた話って感じで﹂ 奥様﹁んー、けど、作者の意図を考えながら読み進めるのも楽しいと思うけどなあ﹂ なるほど、これは好みの問題かも知れない。 以前も書いたが、私は、ゲド戦記の4巻と5巻があまり好きではない。3巻までは、有色人種差別というテーマこそあれ、作者の思想がそれほど前面に出てきているという印象はなかったのだが、4巻以降、ゲド戦記は余りに﹁フェミニズムを表現する為のお話﹂になってしまったように思うからだ。端的に言って、私はゲド戦記1巻から3巻は﹁ゲドの生涯を綴る為の話﹂であるのに対し、4巻、5巻は﹁フェミニズムを主張す