やれば、できる
クリントン政権が対日貿易赤字是正のための圧力をかけたことが未だにトラウマになって、 ﹁民主党が政権を取ったら日本にまた圧力をかけるぞ﹂と言い続けている連中がいるけど、いったい何のために?
クリントン政権が日本に圧力をかけたのは、米国内の生産業︵特に自動車︶を保護するためだった。 当時、日本はアメリカにとって最大の貿易赤字相手国だったからだ。 ところが現在、アメリカの貿易赤字相手国の第一位はダントツで中国なのだ。その額は2位以下とはケタ違いに大きい。 その次はカナダ、メキシコが続く。 日本は第4位である。すでに大きな脅威じゃない。 まず、圧力をかけるべきは中国なのだ。
ブッシュ政権が日本に圧力をかけなかったのは親日だからじゃない。 貿易赤字に関してブッシュは年金問題などと同様にほったらかしていただけだ。 ブッシュは中国に対して何もしなかった。 有害な物質が中国製品から発見されても、何もしなかった。 規制しろと騒いだのは民主党だった。 そしてオバマは対中貿易赤字を是正すると公約している。
その時、日本も標的になるだろうか? 日本は、アメリカの国債を世界一沢山買ってあげてるうえに、 アメリカ国内に自動車工場を持ち、アメリカ人を雇ってアメリカに貢献している。 なにしろ、アメリカでいちばん沢山売れている車はトヨタのカムリだけど、アメリカで作ってるんだよ!いっぽうGMやフォードやクライスラーは工場を人件費が安いメキシコや健保を国が負担してくれるカナダに移している。 だからトヨタ・カムリは本当はアメ車で、フォードやGMやクライスラーの車は今やアメ車ではなくなってきている。 民主党が保護主義を取るのは、工場などで働く労働者を支持基盤としているから、彼らを守るためだ。だったら守るべきはGMよりもカムリの工場ということになる。
かつてはアメリカ人の6人に一人は自動車産業に従事していると言われたが、今はフォードもGMもクライスラーも三社ともすぐにでも潰れそうだ。 もう今さら日本に圧力かけても遅すぎる。
だからむしろ日本には、今の調子でアメリカを支え続けて欲しいわけだ。いや、アメリカの自動車産業を救ってくれと頼んでくるだろう。
﹁ブッシュは親日﹂とか言ってた連中は、ブッシュが北朝鮮による拉致問題に結局何もしないまま、北朝鮮をテロ国家指定から外したことをどう思ってるのかな?