グローバル化と
IT革命の意味


 

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 こうした新しい問題に対応するため、アップルやサムスンなどを筆頭に、多くの企業がグローバルな分業体制や、オープンなプラットフォームを活用して事業を展開するようになっている。アップルが本社を置くシリコンバレーは情報通信産業の集積地であるが、シリコンバレーはそこだけで成り立っているわけではない。

 暗号や無線通信の技術ではイスラエル、ソフトウェア開発ではインド南部の諸都市、ハードウェアでは台湾といった、世界各地の情報通信産業の集積地とネットワークを構成し、その間をユダヤ人、インド人、華僑が行き来しながら、連携して事業を展開している。いかに日本の大企業とはいえ、もはやひとつの企業体だけで問題を解決できる時代ではなくなった。問題の大きさの方が企業の器を超えてしまったのだ。

 こうした環境の変化にいち早く適応した欧米、韓国・台湾の企業の追い上げを受け、日本の多くの経営者は、かつての王者が王者ではなくなる日が来ることに、危機感を覚えているのだ。