文字とは、情報を伝達し記録するために線や点を使って形作られた記号のことである。
概要
2016年現在時点で確認されている最古級の文字は、紀元前三千数百年程度の遺物が存在している楔形文字やヒエログリフである。 それより遡る文字の候補とでも言うべきか、さらに古い時代の﹁文字っぽい﹂遺物も見つかってはいる。だがそれら楔形文字やヒエログリフと違って、後の時代で使用されている文字との連続性がなかったり、あるいは発見されている絶対数が少なすぎるなどの理由から﹁文字というほどの複雑性のない、ただの何らかの標識では﹂という疑惑が拭いさられていない。 とはいえこれらの﹁最古の文字候補﹂の遺物も1万年前を超えるものは見つかっていない。それに対して、現生人類︵ホモ・サピエンス・サピエンス︶が発生したのは約10万年~20万年前であろうと目されている。つまり現在発見されている遺物から判断する限りでは、現生人類はその発生から90%以上の期間、文字を持たなかったことになる。 その発祥当初は﹁文字を残す﹂すなわち﹁書く﹂ためには、﹁石板に彫り込む﹂﹁粘土に刻む﹂といった手間のかかる手段が必要だったと思われる。だが﹁パピルス﹂﹁木簡﹂﹁羊皮紙﹂﹁紙﹂﹁インク﹂﹁筆﹂﹁ペン﹂などが発明されることで筆記が簡便化されていき、また﹁印刷﹂技術が開発されることで同じ内容の文字の大量生産が開始された。さらにはコンピュータ技術の進歩によりキーボードやタッチパネルで﹁入力﹂あるいは﹁コピペ﹂した内容を様々な記録装置の中に圧縮して保存するといったことも可能となっている。 文字を多く集めて意味を持たせたものは単語、文章、文字列、小説、テキストとも呼ばれる。文字の種類
●数字などほとんどすべての国で共通の意味で使われているもの ●ひらがな、カタカナのように原則的に日本でしか使われていないもの ●漢字のように少数の国で使われるもの ●アルファベットのように多くの国で使われているもの ●キリル文字のようにアルファベットに似た文字が多いもの ●アラビア文字など、公用語でも初見ではまったく分からない文字 ●単体では発音せず、前の発音を伸ばしたり、濁音にしたり、アクセントを与えるもの ●長蛇な文字列を読みやすく装飾するもの︵括弧や句読点など︶ ●特定の意味や感情を付与するもの︵疑問符や感嘆符など︶ ●★や■のように、特定の記号やシンボルをそのまま文字としたもの ●その他、文字を別の文字や意味に置き換え、容易に解読できなくした暗号などコミュニケーションとしての文字
日常生活では声︵言葉︶によるコミュニケーションが主流になりがちだが、音声と比較した場合、 ●後から読み返すことができる ●聞き間違いが起きづらい︵早口、紛らわしい言葉や同音異義語など︶ ●文字自体を読みやすく配置・装飾できる ●再生しないと聞こえない音声に対し、文字はその状態で用を成しているため ●録音が必要な音声と比較し、文字はやりとりそのものが記録となる ●適切な保管をしていれば劣化しづらく、記録として広く頒布したり後世に残しやすい ●文字データとしての特性 ●音声データと比較して保存容量が小さい ●音声通信と比較し、文字データは通信時の容量を圧迫しづらい ●音声データのようにスピーカー等の再生機材を必要としない ●文字データの場合、コピペによって頒布や翻訳が容易 …といったメリットがあるため、メールやSNS、インターネットでは特に主流となっている。 ただし識字率の低い国や、読める漢字の少ない幼児や低学年には限度があったり 即応性が必要とされる会議や状況においては大きなデメリットにもなりうる。 近年は﹁音声入力﹂で文字化する方法もあるが、誤変換など万能ではない。 またPCやスマホでは誤変換したまま気付かずに送ってしまい指摘されるミスも珍しくない。 文字の入力・再生環境の違いによっては機種依存文字、文字化けも起こる事もある。関連動画
関連項目
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