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eBook-News
2007.07.09 Mon


2.0Google
Google(h)

◆概要

  1. 2004年より「Google Print」として英語版がスタート
  2. 現在では「Google Book Search」として世界中でサービスを提供
  3. 日本では、2007年7月3日よりベータ版として正式公開
  4. 日本語を含め10言語、70カ国で提供
  5. Googleは「世の中のすべての書籍をGoogleから検索可能にすること」をめざす
  6. Googleは「読者・著者・出版社の三者にとって有益なシステム」をめざす
  7. Googleの目的は「本を閲覧させることではなく、本を検索対象とすること」
  8. Googleは「書店では見つけにくい本の発見ツール」としての利用をアピール
  9. 出版社を対象とした「パートナープログラム」と、図書館を対象とした「ライブラリプロジェクト」がある
  10. 出版社とのパートナーシップ理念は「コンテンツプロバイダーと非排他的に協力していく」「表示方法のコントロールは100%出版社が決める」「ブック検索で得た収益をパートナーに還元する」の3点である
  11. 電子化には、Googleが独自に開発したスキャナーを使用する
  12. まず本をページごとにスキャンし、次にOCRでテキストデータ自動抽出する

◆登録状況

  1. すでに全世界の書籍100万タイトル以上を登録・データベース化している
  2. すでに全世界の出版社10,000社以上が登録している
  3. 米国・欧州の大手出版社はほとんど参加している
  4. 日本での募集は2006年5月より開始していた
  5. 日本国内の登録数は100万タイトルのうち、まだ数%らしい(非公開)
  6. 日本で登録した出版社数は、まだ3ケタ程度らしい(非公開)
  7. 現在は誰もが知っている大手出版社を含め参加交渉中
  8. 同様のサービスにはAmazonの「Inside this book」がある
  9. 日本では「なか見!検索」として2005年11月にスタート
  10. Amazon.co.jpの「なか見!検索」登録状況は和洋書あわせて57万冊
  11. 参加出版社数は600を超えている(2007.7月現在)
  12. 小学館、集英社、角川書店などが参加している
  13. そのほかにMicrosoftによる「Windows Live Search Books」も進行中

◆登録方法

  1. パートナープログラムはISBNコードを持っている書籍が対象となる
  2. 登録方法は2種類「オンラインでデータ登録する方法(無料)」と「Googleに郵送してスキャンしてもらう方法(無料/送料は出版社負担)」

◆検索結果ページ

  1. 検索結果は、キーワードとの関連性(メタデータ、書誌データ、ウェブ検索結果、引用している書籍の数など)を基準に表示する
  2. したがって、通常のGoogleウェブ検索とは順位表示の基準が異なる
  3. 検索結果には、中国語や英語の本もヒットする
  4. 2007年7月現在、まだ国内の登録出版社が少ないため、日本の書籍のヒット数は少ない
  5. 検索結果に表示されるのは、著者、発行年、検索語がヒットしたページ数、検索後を含む本文の一部抜粋など
  6. 検索結果ページでは「部分プレビュー」と「全文表示」の絞り込みもできる
  7. 検索オプションで、検索語の一致方法を指定することもできる
  8. 検索オプションで、検索する書籍の種類を指定することもできる
  9. タイトル以外に、著者・出版社・発行年・ISBNなどで検索することもできる
  10. 出版社が希望すれば、書籍の追加・削除をいつでも自由にできる
  11. 検索結果を表示する国を設定することもできる

◆表示方法

  1. 表示方法は「全文表示」「部分プレビュー」「スニペット(抜粋)」「プレビューなし」の4種類
  2. デフォルトでは「部分プレビュー」に設定されている
  3. 「全文表示」は、著作権保護期間外、もしくは出版社が全文掲載を許可した書籍が対象
  4. 「全文表示」の書籍は、印刷・PDF形式でのダウンロードができる
  5. 「部分プレビュー」は、出版社が許可した書籍が対象
  6. 「部分プレビュー」の書籍は、印刷・保存・コピー・ダウンロードはできない
  7. 「部分プレビュー」の場合は、検索キーワードによって読める範囲が異なる
  8. ちなみに「部分プレビュー」は書籍プロモーションとの相性がよく、英語版ではコンバージョン率が15%を超えた出版社もあるらしい
  9. 「スニペット(抜粋)」は、パートナーシップを結んでいない出版社の書籍が対象
  10. 「スニペット(抜粋)」は、ISBNコード、目次等の書籍データ、検索キーワード前後の文章、書籍内のキーワードのみ閲覧できる
  11. 「プレビューなし」は、Googleにインデックスされていない書籍が対象となる
  12. 「プレビューなし」は、著者名、出版社、発行年、ISBNコードを閲覧できる
  13. 「プレビューなし」では、関連ブログ記事やレビュー記事などのリンクも表示される
  14. コピーや二次利用防止のため、スキャン画像はあえて粗くしている
  15. 1ユーザーが1ヶ月に閲覧できるページは、総ページ数の20%までに制限される
  16. そのコントロールはcookieで制御するらしい
  17. 部分表示する比率はパートナーの出版社が自由に決められ、20%以上に上げることもできる

◆表示機能

  1. 「全文表示」でサーチした書籍は、1ページ、もしくは見開き2ページで表示できる
  2. 書籍ページは全画面表示させることもできる
  3. 拡大・縮小することもできる
  4. 検索キーワードは、黄色くハイライト表示される
  5. 前後にめくれるページは、数ページに制限される

◆メニュー「概要/この書籍について」

  1. 画像をクリックすると、表紙・裏表紙を表示できる
  2. 「この書籍について」をクリックすると、著者、発行年、総ページ数、ISBNコード、検索にヒットしたページのプレビュー、書籍内検索ボックス・書籍購入先リンク等をまとめた別ページを表示する

◆メニュー「この書籍を購入」

  1. 表示している書籍の出版社サイトへのリンクを最優先に表示する
  2. 次に、Amazon.co.jp、紀伊国屋書店BookWeb、楽天ブックス、セブンアンドワイの順番で、オンライン書店へのリンクを表示する
  3. オンライン書店の選定基準は、アクセス数・ユーザー数が多いことらしい
  4. 「図書館でこの書籍を探す」ためのリンクもあるが、現時点では日本未対応
  5. 「地域の書店を探す」ためのリンクもあり、指定した地域の書店をGoogleMapで紹介する

◆メニュー「この書籍内を検索」

  1. 表示している書籍内を対象に検索をかけることもできる
  2. 検索結果は、デフォルトで5件表示される
  3. 検索結果は、画面右メニューバー内に表示される
  4. [もっと見る]をクリックすると、メニューバー内で全検索結果を表示する
  5. 検索キーワードを含むページ番号と、検索キーワードの前後の文章を60~80字程度表示する

◆メニュー「出版社の情報」

  1. 表示している書籍の出版社サイトへのリンクを表示する
  2. 出版社の許可を得ているかどうかを表示する

◆メニュー「標準モードとベーシックHTMLモード」

  1. 標準モードでは、メニューにAjax等を使ったナビゲーションを利用できる
  2. ベーシックHTMLモードでは、メニューを利用するたびに画面を切り替える
  3. ベーシックHTMLモードでは、本の厚みと表紙をつけた画像加工がされている
  4. アドワーズ広告の数が、標準モードでは2件、ベーシックHTMLモードでは3件表示される

◆効果測定・分析

  1. パートナーの出版社には管理画面が用意される
  2. 閲覧書籍数・閲覧ページ数・オンライン書店へのクリック数・広告のクリック数と収入などを確認できる
  3. 日付やISBNによるソートや絞り込みもできる
  4. レポートはメール送信もできる

◆広告

  1. 書籍内容に合わせて、Google AdWords広告が自動的に表示される
  2. Googleは広告から収益を上げ、広告収入は出版社にも還元する
  3. 広告の表示・非表示は出版社側で自由に設定できる
  4. 一部の書籍だけに広告を表示することもできる

◆ライブラリープロジェクト

  1. 「Google Books Library Project」は、全世界の図書館の蔵書を検索できるようにするプロジェクト
  2. 米国、英国、スペイン、ドイツなど、全世界で26の図書館が参加している
  3. 日本での登録第1号は慶應義塾図書館(2007.7.6)
  4. 同図書館は、日本初であり、アジアでも初の参加となった
  5. 同大学は、2008年に創立150年を迎えるにあたり、記念事業の一環として参加を決めたらしい
  6. 同図書館との契約期間は6年間、以降は契約が自動更新される
  7. 同図書館の200万冊以上の蔵書のうち、著作権保護期間外の12万冊を検索・閲覧できるようにする
  8. 12万冊の内訳は、人文社会学系の書籍を中心に、明治から昭和前期の日本語図書が約3万冊、御伽草子などの和装本が約9万冊
  9. 慶應義塾の創始者である福沢諭吉の著書も多数含まれるらしい
  10. これらの古い日本語図書では、現在使われていない文字も多く、OCRによる自動テキスト化は難しいと言われている
  11. 費用は基本的にGoogle側が負担する(書籍の輸送費などを除く)
  12. 2007年夏よりプロジェクトを立ち上げるが、利用可能となる時期は未定

関連エントリー
◆Googleブースで見てきた「Googleブック検索」説明用スライド12枚


まとめるにあたって参考にしたサイト記事(順不同)
◆Googleブック検索
◆Googleブック検索 ヘルプセンター
◆Googleブック検索 成功事例
◆プレスリリース:「Googleブック検索(ベータ版)の提供を開始」:Google
◆プレスリリース:慶應義塾図書館がGoogle ブック検索 図書館プロジェクトのパートナーに :Google
◆Google
ブック検索、日本語版がオープン - 書籍の全文表示も
:CNET Japan
◆書籍検索サービス「Googleブック検索」、日本語版開始:INTERNET Watch
◆Googleでも“立ち読み”可能に - 書籍検索が国内で開始 :ITmedia
◆Googleで書籍を無料宣伝しませんか?「Googleブック検索」スタート :MarkeZine
◆グーグル、Googleブック検索日本語版(ベータ版)を開始:RBB TODAY
◆Google調査隊:日本でもGoogleブック検索開始! さっそく使い勝手をチェックしよう
◆Google、ブック検索で慶応義塾大学図書館と連携--図書館はアジアで初の参加
:CNET Japan
◆「Googleブック検索」で福沢諭吉の著作も閲覧可能に :INTERNET Watch
◆諭吉の本もグーグルで- 慶應がGoogleブック検索に12万冊データ提供:@IT
◆「御伽草子」も全文検索 ― Googleブック検索に慶大が参加:ITmedia



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2007.11.12 Mon 14:24
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