杜のVR部

第23回

Oculusの創業者パルマー・ラッキーを唸らせた日本発のVRコンテンツたち

Uniteで展示されたジェットコースターからお色気まで、独創的なコンテンツを紹介


 Oculus Rift17GDCVR

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1,000人以上の開発者が集まったUnite 2015 Tokyo
基調講演を行うパルマー・ラッキー氏

 ラッキー氏は昨年のUniteでも来日し、日本のVRコンテンツを『独創的』と高く評価していた。ラッキー氏は日本のコンテンツについて、移植ではなくVRのために作られたコンテンツが多く、開発者がVRを使って何ができるか頭を捻っていることを評価。そして、ゲームコントローラーにとらわれずに、さまざまな周辺機器を使ってVRの体験を実現しようとしていることがポイントだとしている。筆者がVRコンテンツを堪能したラッキー氏と話した際には、興奮して『日本のコンテンツは本当にクレイジーだ』と語っていたのが印象的だった。

 筆者も会場内にあるコンテンツを体験したが、海外のコンテンツとの違いは大きいと感じた。それでは、どういうコンテンツが展示されていたのか例として4つをピックアップして紹介していこう。

本物のジェットコースターに限りなく近付いた「Urban Coaster HARD MODE」

 今回体験した中で、最も印象的かつ、没入感が高かったコンテンツがこの「Urban Coaster HARD MODE」だ。このコンテンツのベースとなっているのは第10回で紹介した「UnityCoaster2-UrbanCoaster-」(iWorks氏制作)だ。しかしタイトルにあるようにハードモードとなっている。

「Urban Coaster HARD MODE」

 PC

 Urban Coaster
「Urban Coaster HARD MODE」の体験装置。大掛かりだが、ひとつひとつの装置は高価ではないところもポイントだ

 VR調

 VR

 iWorksTeam HashilusPCVR
「Urban Coaster HARD MODE」体験動画
左のモニターには体験している光景が映し出されている。ジャンプの瞬間以外にブランコには一切誰も手を触れていないことに注目いただきたい。信じられないかもしれないが、体験者は身体が傾いていると思っている

対戦もできる乗馬レース「Hashilus」

 この「Hashilus」は1年ほど前に開発されて以来、日本各地のイベントで展示、常設もされているものだ。日本のVRコンテンツを代表する存在でもあるので、これを機に紹介しておきたい。

 「Hashilus」は開発者など数名で結成された“Team Hashilus”が開発した。特殊な周辺機器、といってもどこかで見たことがあるであろう乗馬タイプの健康器具(改造済み)にまたがり、乗馬レースができるというコンテンツ。鞍の上にある手綱のような輪っかを振ることでスピードが上がり、地形や速度に応じた馬の動きをリアルに感じることができる。また、「Urban Coaster HARD MODE」と同様に、送風機や霧吹きが使用される。

 そして、この「Hashilus」は同一ネットワークにつないだ他のプレイヤーとの対戦ができるようになっている。他のイベントでは4人対戦も行われているが、Uniteでは2名ということで、隣のプレイヤーとの乗馬レースが楽しめた。

このように馬にまたがっているような状態が没入感を増す
レース中はVRの中だということも忘れ、馬をいかに速く走らせるかに無我夢中だ

 また、2日目の会場では同じ機材を使って、レースではなく巨大生物のいる世界での冒険を体験できる「鳥獣ライド」が体験できた。

鳥獣ライドを楽しむパルマー・ラッキー氏
「Hashilus」体験動画
Unite2Hashilus2

ステッキを振って魔法陣を描いて戦う近未来アートバトル「BREETSCHLAG VR」

 アニメの制作などを行う(株)動画工房のブースでは、同社のオリジナル企画である『BREETSCHLAG(ブレットシュラーク)』を題材にしたVRアニメ「BREETSCHLAG VR」の体験ができた。3月に開催された“AnimeJapan 2015”でも展示され、注目を集めていた作品だ。このコンテンツでは、劇場でアニメを見ているところから始まりストーリーが描かれる。そして、気付くとスクリーンの中で主人公の“華月せいら”となり、他のキャラクターとともに飛んでいて、最後に敵が現れて戦うことに……という流れ。手に持ったステッキで丸や三角といった図形を描くと魔法が発動し、敵を攻撃できる。

手にはちゃんと『BREETSCHLAG』のステッキ
魔法が発動すると爽快だ

 Leap Motion使Magic VR@hecomi

 BREETSCHLAG姿VR

Gear VRの機能を使ったお色気ARコンテンツも

 アダルトPCゲームメーカー・イリュージョンは、日本でも発売が決定しているモバイル向けVRHMD「Gear VR」を使ったお色気コンテンツを展示していた。Gear VRはサムスンとOculus VR社が共同開発したVRHMD。専用のスマートフォンを装着してVRが体験できる。

パススルーカメラを使用するとこれでも前が見えている状態だ(写真提供:@yunayuna64氏)

 Gear VRPass through camera使VRHMD

 AR使

 3D

 3DPLAYGIRLS3D
これがプレイヤーに見えている画面。実際に縄を飛ぶときの色っぽい声が気になって、うっかり縄を引っ掛けそうになってしまう
ついつい、うっかり……

 Oculus Rift使2VR姿

 Unite 2015 Tokyo4

 HashiliusUrban Coaster HARD MODEHashilus42526

(もぐらゲームス:すんくぼ)