2024.07.02
# ビジネス
「もっと定年後を考えとけばよかった…」再雇用で働く63歳大企業社員がいま後悔する「人生を会社に捧げたツケ」
1000万円あった年収は最終的には70%近くカットされ、家では妻に頭が上がらない……。定年後、再雇用契約で働く63歳・男性会社員の酒井さん(仮名、以下同)を紹介した記事はおかげさまで大きな反響があり、読者の方からは「共感」のコメントが多数寄せられた(参考記事:定年前は「年収1000万円」あったけど…72歳まで家のローンを返すはめになった63歳大企業社員の後悔)。
新卒入社した会社で40年間働き続けマイホームにマイカーを購入……、かつての企業戦士のロールモデルのような人生を過ごしてきた酒井さん。長いサラリーマンライフを振り返った時、いったいどのような﹁想い﹂を抱いてるのか。気になる疑問をストレートにぶつけてみた。
聞き手‥佐藤大輝︵33歳・逃げ切れない世代︶
まるで﹁働きバチみたいな人生﹂だった
―― 酒井さん、会社員生活を振り返って、﹁やり切ったこと・やり切れなかったこと﹂について教えてください。 家族を守るため、真面目にコツコツ働き、人の道を踏み外さなかった。変な借金もしなかったし、浮気もしなかった。少しだけパチンコとかはやりましたけど、大きなお金を賭けるなど、ギャンブルにも手を染めなかった。健康面でも、大きな病気になることのないまま、定年まで勤め上げることができた。![](https://gendai-m.ismcdn.jp/mwimgs/2/d/1280m/img_2d08a59a74dae8f457353a1048ffe9fb42606.jpg)
これらの点は、人生でやり切れたと誇らしく思っています。やり切れなかったことは……すみません、たくさんあります。
――ぜひ教えてください。
今更どうにもならない︵だから、やり切れなかった︶という意味では、仕事を頑張りすぎて、家族との時間を疎かにしたことです。ずっと転勤族で、20年間くらい単身赴任だったんですけど、一番下の子とは4~5年間だけしか一緒に暮らせませんでした。父親として、例えばスキーや映画に連れて行ってあげたり、もっとたくさんの思い出を作ってあげたかった。本当に何もしてあげられなかったので、この点は反省してます。