イタリアカサマツ
イタリアカサマツ (学名:Pinus pinea)、英名としてEuropean nut pine, Italian stone pine, umbrella pine, parasol pineは、マツ科マツ属のPineae 亜節の常緑高木。成木になると傘状の外観になるのが特徴。実は食用となる。
イタリアカサマツ | ||||||||||||||||||||||||
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成木 右脇の人間とのサイズ比較 | ||||||||||||||||||||||||
保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Pinus pinea | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
European nut pineなど |
概要
編集分布
編集外観
編集高さ25mにまで成長することもあるが、多くの個体は12-20m程度の高さである。若木のうちは密に葉が茂るが、成長すると樹の上の部分に平坦な王冠状ないし傘状に枝と葉が茂るようになる。その直径は8m前後にもなる[1]。樹皮は赤色を帯びて厚く、縦方向の深い亀裂が多数入る。葉は柔軟で青緑色をしている。5-10年までは短い葉が生えるが、4年目くらいから全く形状の異なる長い葉が生えるようになり、10年目くらいで完全に葉が置き換わる。球果(実)は卵型で成熟すると大きく広がり8-15cmのサイズとなる。本種の球果が成熟するまでは年月が必要とされ36か月も必要である。1つ1つの実は2cm程度の大きさであり、4-8mmの翼が付いている。この翼は、種子を広い範囲に散布するためには役立っておらず、種子の散布は主に人間を含む動物が担ってる。
栽培
編集少なくとも6000年前には松の実を食用とするために栽培されており、重要な物々交換の品目となっていた。そのため本来の生息地域を超えて、様々な地域で栽培されるようになった。
園芸
編集イタリア式庭園では、本種は景観の要として重要である。またイタリアではローマ街道やアッピア街道で本種が街路樹として植えられており、歴史的なイタリアのシンボルとなっている。鉢植えや盆栽としても利用される。1年目の幼木(高さ20-30cm)は、卓上の実にクリスマスツリーとしても流通する。
害虫
編集1990年代後半に、アメリカ西海岸からイタリアに輸入された木材にまぎれてマツヘリカメムシが侵入し、瞬く間にヨーロッパ全土に被害が拡大した。マツヘリカメムシによって球果の発育が阻害され、形成不全が起こる。これによってイタリア国内の多くのイタリアカサマツが枯れ、原生林が失われた地区もある[2]。
備考
編集ギャラリー
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高く成長した老木
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成木の幹と樹皮
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球果と種子
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発芽する種子
脚注
編集- ^ a b “Pinus pinea”. Royal Horticultural Society. 2013年7月23日閲覧。
- ^ PR (2010年10月20日). “Italy’s pine nut pest”. Public Radio International. 2012年6月20日閲覧。